転職サービスdodaが1月20日に発表した「平均年収ランキング2019」で、職種別・業種別ともにトップは金融関係が占めた。2019年の全体の平均年収は408万円(前年比6万円減)で、職種別に見ると首位は投資銀行業務。金融系専門職以外に多かったのは戦略/経営コンサルタントなどの専門職系だった。業種別では、トップ10のうち9業種を金融、メーカー、メディカル系だった。
ランキングは2018年9月~2019年8月の1年間、パーソルキャリアが運営するdodaエージェントサービスに登録した約40万人のデータを元に、正社員として働く20歳~65歳までのビジネスパーソンの平均年収(支給額)と生涯賃金をまとめたもの(有効回答数は約40万件)。
業種別首位「投信・投資顧問」前年から191万円減
職種別の平均年収ランキングでは、全167職種の中、1位が投資銀行業務で843万円、2位は運用業務(ファンドマネジャー・ディーラー)で720万円など、金融業界が上位を占める結果となった。なお2018年のランキングでは、投資銀行業務と運用業務はそれぞれ2位と3位で、1位は弁護士だった。
業種別の1位は投信・投資顧問の648万円。昨年から191万円の大幅下落(全96業種の中で最大)だったが、トップを維持した。以下、医薬品メーカーの600万円、たばこの591万円などと続き、トップ3は前年(2018年)と同じだったが、いずれの業種も額は下落。全96業種のうち69業種が前年から平均年収を下げたが、「メーカー」分類では全22業種中、11業種で増加した。
【男女格差】30代で100万以上、40代で150万以上
年代別では、20代……345万円、30代……442万円、40代……507万円、50代以上……622万円だった。男女別に見るといずれも格差があり、たとえば30代男性は481万円だが30代女性は375万円と100万円以上の開き。40代男性は567万円、40代女性は401万円と、こちらは150万円以上の差がついた。
なお前年との比較では、30代、40代、50代以上とも下落したが、20代の男性の平均年収のみ微増した。
職種別、業種別のランキング上位10件は次の通り。
職種別平均年収ランキング上位10件
(カッコ内は職種分類)
1 投資運用業務(金融系専門職)……843万円
2 運用(ファンドマネジャー/ディーラー)……720万円
3 内部監査(企画/管理系)……709万円
4 戦略/経営コンサルタント(専門職:コンサル、専門事務所、監査法人)……679万円
5 業務改革コンサルタント(同)……678万円
6 営業─医薬品メーカー(営業系)……659万円
7 MR(営業系)……658万円
8 知的財産/特許(企画/管理系)……657万円
9 プロジェクトマネジャー(技術系:IT/通信)……656万円
10 会計コンサルタント/財務アドバイザリー(専門職:コンサル、専門事務所、監査法人)……647万円
業種別平均年収ランキング上位10件
(カッコ内は業種分類)
1 投信/投資顧問(金融)……648万円
2 医薬品メーカー(メディカル)……600万円
3 たばこ(メーカー)……591万円
4 財務/会計アドバイザリー(サービス)……569万円
5 トイレタリー(メーカー)……556万円
6 総合電機メーカー(メーカー)……529万円
7 医療機器メーカー(メディカル)……527万円
8 診断薬/臨床検査機器/臨床検査試薬メーカー(メディカル)……519万円
9 証券会社(金融)……517万円
10 家電/モバイル/ネットワーク機器/プリンタメーカー(メーカー)……516万円
文・編集:濱田 優
写真:Hyejin Kang /Shutterstock.com