クレディセゾンが、ブロックチェーンを活用した次世代型・金融サービスの開発を進める、大和証券グループの子会社の株式を取得する。野村ホールディングスや三菱UFJフィナンシャル・グループが、ブロックチェーンの利用を拡大していくなか、国内の大手金融機関による“ブロックチェーン金融プラットフォーム”の開発に勢いが増しそうだ。
クレディセゾンは1月31日、今回の資本業務提携により、大和証券Gの子会社Fintertechの株式34%を取得すると発表。株式の譲渡は2月28日。取得金額は明らかにしていない。
クレディセゾンは、決済プラットフォームや資金調達プラットフォームを基盤とした、新たな金融サービスを提供する「ファイナンスカンパニー」にトランスフォームしていく中期ビジョンを掲げている。一方のFintertechは、クレディセゾンと組むことで、開発を進めている事業をさらに加速していく。また、両社は、クレディセゾンのノウハウと、大和證券Gの顧客ベースを活用したローン事業の開発を検討していくという。
野村のデジタル証券プラットフォーム、三菱UFJの超高速決済
国内では、野村HDが子会社のブーストリーを通じて、ブロックチェーンを基盤としたデジタル証券プラットフォームの開発を進めている。米銀最大手のJPモルガン・チェースが開発した「クオラム(Quorum)」と呼ばれる基盤で、ブロックチェーン上で株式や社債、不動産などの有価証券や、会員権などを流通させる構想だ。
三菱UFJフィナンシャルは、米アカマイと共同で、ブロックチェーンを活用した高速決済プラットフォームを開発する一方、ブロックチェーンを使った貿易金融プラットフォームの開発を進めるスタートアップのコムゴ(Komgo)に出資している。
東海東京フィナンシャル・ホールディングスは2019年11月、シンガポールでセキュリティ・トークン(ST=デジタル化・トークン化した株式、債券、不動産などの証券)を対象にした取引所を運営するシンガポール企業に出資すると発表している。
文:佐藤茂
写真:セゾンカード(Shutterstock)