英スポーツ界、ブロックチェーン上でチケット発券の事例——欧州サッカー連盟も既に実験成功

イギリス、ランカシャー州のクリケットクラブは、2020年に開催されるすべての国内、国際試合において、ブロックチェーンを基盤とした発券システムを利用する。

業界誌「ザチケッティングビジネス(TheTikcetingBusiness)」の報道によれば、ランカシャー・クリケット・クラブ(Lancashire Cricket Club)はブロックチェーン発券サービス提供業者TIXnGOと提携を結んだ。

新しいブロックチェーンチケットは、追跡可能で、購入者それぞれに独自のものであり、偽造はほぼ不可能だと同クリケットクラブは述べた。システムには、チケットの譲渡や転売のプロセスを簡略化する新しい機能も含まれている。

報道によれば、開発に18カ月を費やしたこの新しいプラットフォームは、2019年のシーズン中に試験が行われた。

ランカシャー・クリケット・クラブの発券・デジタルシステム担当責任者ジョン・ナトール(John Nuttal)氏によれば、今回の発表は、ブロックチェーンが安全を保証する発券技術を利用した、スポーツ組織による記念すべき最初期の例の1つである。オンラインでのチケット販売がますます増える中、「デジタル発券技術の改善を続けていくことは非常に重要だ」とナトール氏は述べた。

「ブロックチェーン技術は、スポーツ組織とファンが共に直面している、発券にまつわる多くの問題を解決してくれます」と、現在ランカシャー・クリケット・クラブに発券サービスを提供し、TIXnGOの姉妹組織でもあるSecuTixのイギリス担当マネージングディレクター、デビッド・ホーンビー(David Hornby)氏は述べた。「当クラブの既存発券システムに容易につながり、より優れた、より安全なデジタルモバイルチケット体験をファンに提供してくれます」

ヨーロッパのサッカー協会を管轄する欧州サッカー連盟(UEFA)は、ブロックチェーン基盤の発券アプリの実験を行なっていると述べ、2018年には試験が成功したことを発表した。しかし、他のスポーツの組織は、ブロックチェーン技術をずっと幅広いユースケースにおいて試している。アメリカのアイスホッケーチーム、ロサンゼルス・キングス(LA Kings)は昨年、公式商品をファンが確認するのを支援するブロックチェーンアプリを導入した。イタリアのサッカークラブ、ユベントス(Juventus)は2018年、ファンに「発言の機会」を与えるトークンをローンチすると述べた

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:UK Cricket Club Will Issue This Season’s Tickets Over a Blockchain