世界最大級の軍事企業の1社がワシントンD.C.にあるクライアントをサポートするために「仮想通貨の専門家」を募集している。
リンクトインで募集中
リンクトインでの広告によると、バージニア州に拠点を置くBAEシステムズは「仮想通貨に精通」し、「クライアントの運用要件をサポート」するためにアメリカの首都に移住できる候補者を探している。
望まれる候補者の条件は、業界標準の資格である認定ビットコイン・プロフェッショナル、または同専門家(certified bitcoin professional/expert:CBP/X)であること。あるいは仮想通貨に「かなりの理解」を持っていること。すなわち、楕円曲線アルゴリズム、ゼロ知識証明、「スマートコントラクトの脆弱性分析についての実践的な経験」を持っていることが必要となる。
候補者はまた、BAEシステムズによると、仮想通貨の機能についてソースコードレベルでの理解に加えて、「プライバシーコイン、ウォレットのタイプ、フルノードとライトノード、仮想通貨決済プロセッサー、セキュアな決済プロトコルなど仮想通貨に関連したこと」への理解が必要となる。
BAEシステムズはアメリカ国防総省の最大級の請負業者の1つ。軍事用ハードウェア、高度なエレクトロニクス、テクノロジーソリューションを提供している。
クライアントは不明
BAEの広告はクライアント名を明らかにしていない。だが候補者はポリグラフ(嘘発見器)によるセキュリティチェックが求められるとしている。ポリグラフテストは通常、機密情報を扱う役職に必要とされる。
候補者はクライアントの組織の「すべてのレベル」のスタッフとのやり取りが期待され、「情報機関の業務の支援、もしくは情報機関と密接にやり取り」した経験が求められる。また6年以上の関連業務の経験も必要となる。
アメリカの政府機関は仮想通貨分析への関心を増している。ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス(Chainalysis)は2019年、連邦政府との10個の契約から1000万ドル(約11億円)以上を売り上げた。
仮想通貨の専門家を募集するBAEの広告は数カ月間掲載されている。だがまだ、応募者は25人以下となっている。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:US Military Contractor BAE Systems Wants to Hire ‘Cryptocurrency Exploiters’