イランをめぐる緊張がおそらく、ムニューシン財務長官の仮想通貨規制に関する2月13日(現地時間)のコメントの背景にある。
トランプ政権は、仮想通貨は「イランのような国々に対するアメリカの制裁を回避」するために利用されているという「懸念を高めている」とニューヨーク・タイムズは報じた。
今週はじめ、イラン議会研究センターは2020年1月に発行された仮想通貨マイニング・ライセンスは新たな税収と手数料をもたらす可能性があるとしたレポートを発表した。同センターは、イラン国内のマイニング産業は85億ドルを生み出し、同国政府に年間10億ドル(約1100億円)以上をもたらすと見ている。
レポートはまた、イラン議会の2021年予算の一部を仮想通貨マイニングに割り当てることを推奨したが、その具体的な内容は不明だ。
つまり、もしトランプ政権がイランを経済的に追い詰めようとしているなら、ビットコイン(BTC)はイランにとって生命線になるかもしれない。
ムニューシン財務長官のコメントの数日前には、トランプ政権が仮想通貨の監視のために財務省の2021年予算の増額を提案していた。2019年だけでも、さまざまな米政府機関がチェイナリシス(Chainalysis)のブロックチェーン分析サービスに500万ドルを費やした。
2019年7月、ムニューシン財務長官はフェイスブックのステーブルコイン「リブラ」を「国家の安全保障にかかわる問題」と呼び、テロリストによる資金調達とマネーロンダリングに対する懸念を示した。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Iran Concerns May Be Driving Trump Administration’s Talk of New Crypto Rules