FCバルセロナ、トークン発行へ──ファンとのエンゲージメント拡大が目的

FCバルセロナ(通称バルサ)はファンとのエンゲージメント拡大を目的にトークンを発行する。

グッズなどと交換できるポイントを付与

バルサはブロックチェーン企業チリーズ(Chiliz)と提携して「バルサ・ファン・トークン($BAR)」を開発。$BARを使うとファンはチリーズのモバイルアプリSocios.comから調査などに回答できるようになる。

バルサは世界で最大規模のサポーター数を誇るクラブであり、収益面では最もリッチなサッカークラブ。他のクラブとは違って、バルサは運営の一部をソシオ(socios)と呼ばれる会員が担う。ソシオは会費を払い、会長や理事会メンバーの選挙に参加する。

「世界中に3億を超えるファンがおり、バルサのファンコミュニティーは世界中の国や文化に広がっている」とチリーズの創業者兼CEO、アレクサンドル・ドレフュス(Alexandre Dreyfus)氏は語った。

「バルサは間違いなく世界で最も有名で最も支持されているサッカークラブ。ファンがクラブの決定に影響を与え始めるようになることが楽しみ」

アプリを使ってクラブと交流するサポーターはグッズやクラブでの体験と交換できるポイントが与えられると2月13日(現地時間)の発表でチリーズは述べた。トークン所有者向けにチャット、トークン取引、ゲームなどの機能も計画されている。

ジョセップ・ポント氏(左)、アレクサンドル・ドレフュス氏(右)

グローバル拡大戦略をサポート

バルサ・ファン・トークン($BAR)は2020年第2四半期に販売される。価格は1トークンあたり2ユーロ(約240円)、4000万トークが売り出される。$BARを入手するには、ファンはまずチリーズのトークン「$CHZ」を入手する必要がある。チリーズによると、$CHZは世界中の多くの取引所で入手できる。

バルサのブロックチェーン分野への参入はグローバル拡大戦略の一環であり、ファンとのエンゲージメント構築における新しいデジタル手法を模索している。

「今回の取り組みは我々に革新的なマーケティングとパートナーシップの活性化のチャンスを与えてくれる。クラブが世界中のファンとより近づくためのデジタル領域に明確に焦点を当てている」とFCバルセロナの理事会メンバーで商業部門責任者ジョセップ・ポント(Josep Pont)氏は声明で述べた。

翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:FC Barcelona fans. Credit: Shutterstock/Christian Bertrand
原文:Top Soccer Club FC Barcelona Launching Crypto Token for Fan Engagement