この1週間に起きた仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン分野のニュースを振り返ろう。2月7日(金)-2月14日(金)には、米財務長官が仮想通貨に関して「重大な」規制を準備していると述べ、JPモルガン・チェースのブロックチェーンプロジェクトがイーサリアム開発企業と合併協議していること、北朝鮮が経済制裁を回避するため仮想通貨マイニングを活発化していることなどが報じられた。
2月7日──オーストラリア、ブロックチェーンを国家戦略に
オーストラリア政府が、ブロックチェーン技術を通じたイノベーション促進計画を発表した。同国の産業・科学・エネルギー資源省が、ブロックチェーン・ビジネスの潜在的価値を捉える狙いで改訂版国家ロードマップを策定した。国際的なサプライチェーン管理が焦点。
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仮想通貨マイニング「コインハイブ」事件、一転有罪
仮想通貨マイニングプログラム「コインハイブ」の設置をめぐる裁判で、東京高等裁判所は第1審の無罪判決を覆し、罰金10万円の有罪判決を下した。被告は上告する方針。
ウクライナ、マイニングを規制せず
ウクライナが仮想通貨マイニングに対する規制を設けない意向を示した。同国のデジタル・トランスフォーメーション省が「マイニングは政府の監視当局あるいは第三の規制当局からの監視を必要としない。マイニングはプロトコル自体とネットワークメンバーによって規制されている」と述べた。
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2月9日──北朝鮮、モネロのマイニングを活発化、制裁回避が目的
北朝鮮が経済制裁を回避するため、匿名性の高い仮想通貨モネロ(XMR)のマイニングを強化している。北朝鮮のIPアドレスからのマイニング・トラフィックが、2019年5月から「少なくとも10倍」に増加しているという。米サイバーセキュリティ企業レコーデッド・フューチャーが発表した。
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新型コロナ案件にブロックチェーン活用の中国保険会社——アリペイも利用:報道
中国の保険サービス提供業者が、透明性を持って効率的に情報を処理するブロックチェーンの能力を活用している。新型コロナウイルスの影響を受けた27以上の都市などの補償請求に対する支払いを加速させる目的。アリペイでも利用可能。サウスチャイナ・モーニング・ポスト誌が報じた。
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2月10日──モネロのハッカー集団が活動再開、ターゲットは欧米企業
「アウトロー」の名で知られるハッカー集団が、不正に仮想通貨モネロ(XMR)をマイニングするため、活動を再開した。欧米企業を対象にしているという。サイバーセキュリティ企業トレンドマイクロが発表した。
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2月11日──JPモルガンのブロックチェーンプロジェクト、合併か:報道
米金融大手JPモルガン・チェースのブロックチェーンプロジェクトであるクォラムと、イーサリアムに特化したソフトウェア開発を手がけるコンセンシスとが合併するかもしれない。ロイター通信が情報筋の話として報じた。合意条件で協議中で、早ければ6カ月以内に合併する可能性もあるという。
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2月12日──「重大な」規制を準備中、米財務長官が警告
米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が、仮想通貨規制に関して「新しい重大な要件」を展開する準備をしているとスティーブン・ムニューシン長官が明かした。上院財政委員会の公聴会で答えた。
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文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock