トレーダーに優位性をもたらすサインが求め続けられているなか、米掲示板サイト「レディット(Reddit)」での強気コメントはビットコインの勢いを示す指標になるだろうか?
掲示板サイトの強気コメントを分析
データ可視化のスタートアップ企業チャートスター(ChartStar)は仮想通貨をテーマとした複数の人気レディット・チャンネル、いわゆる「サブレディット(subreddit)」で、「強気(bullish)」という単語が使われたコメントを抽出し、グラフ化した。
サブレディットの内容はさまざまだが、共通点は仮想通貨取引についての議論が明確に許されていること。また、投稿は「強気、強気、強気」と書き込んでも1回としてカウントされた。
以下のグラフは、「強気」という単語を含んだコメントとビットコインの週ごとの終値を対比させたものだ。
思ったとおり、強気のコメントは2020年の始めの数週間、ビットコイン価格とうまく連動しているようだった──だが、ある時点までだった。2020年第7週に「強気」という単語が突然増えた後、ビットコイン価格は下落した。
チャートスターは、株式やコモディティなどの人気データ化サイト、トレーディングビュー(TradingView)の新たな対抗馬になろうとしている。トレーディングビューは仮想通貨サポートしているが、仮想通貨トレーダーは勝つ戦略を実行するための新しいツールを必要としているとチャートスターはアピールしている。
市場の勢いを示す
これは、オシレーターとして知られるテクニカル分析ツールを少し思い起こさせる。オシレーターは市場の勢いを示す指標で、現在の価格を直近の価格の動きと比較する。比較の際には期間などを設定できる。
オシレーターは市場が下降トレンドに向かっているのか、上昇トレンドに向かっているのかを知るために使われる。
「トレンドを上回る楽観主義の急増があり、その後、価格が下落した。これは、行き過ぎた楽観主義は資産の買われすぎのサインであり、修正が行われることの潜在的な警告となる」とチャートスターのデビッド・ギルバート(David Gilbert)氏は語った。
だが、レディットでの行動がビットコインのオシレーターとして機能するかどうかの判断はまだ出ていない。結局のことろ、強気コメントは短期的な価格高騰の後に投稿された可能性がある。高騰の前ではない。これは、チャートスターが週の平均数を投稿していること、そして週の前半の高騰は、それについて語ったコメントが数日間、話題を集める可能性があるためだ。
トレーダーは常に、決定のための指標を求めている。オシレーターのようなツールを使うテクニカル分析と、ファンダメンタル分析を組み合わせることは理想的。
仮想通貨では、特にレデイットのような、特定のストーリーを生み出しているソーシャルメディア上の熱心なコミュニティは、その重要性を証明するかもしれない。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:ChartStar
原文:‘Bullish’ Comments on Reddit a Potential Bitcoin Signal