LINEがアメリカで仮想通貨取引事業に参入した。LINEグループで仮想通貨事業を手がけるLVCとLINEが2月28日に発表したもので、取引所を運営するのはLVC傘下のLVC USA。対象は日本と米国の一部を除いた全世界。米ドルでの取引を可能にする。
LINEはこれまで、日本とアメリカを除く国・地域で仮想通貨取引所BITBOXを運営推進していたが、今後は、LVC USAが運営するBITFRONTに移行。これにより、同グループとしては世界中でサービスを提供することになる。
同グループはLINEトークンエコノミー構想を推進しており、早ければ4月にも国内でLINKトークンの取り扱いが見込まれている。今回の米国での事業参入は構想の推進をさらに加速させそうだ。
BITFRONTの取り扱い通貨はBTC、LINKなど5種
LVCはこれまで傘下のLINE TECH PLUS PTE. LTD.を通して、日本とアメリカを除いて仮想通貨取引所BITBOXを運営していたが、今後、LVC USAが運営するBITFRONTに移行する。
BITFRONTでは5種の仮想通貨を上場しており、LINEの独自通貨であるLINKのほかビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、テザー(USDT)を取り扱う。
同取引所では、他の取引所とオーダーブックを連携するなどして、スプレッドを縮小するという。銀行口座と連携させた利用者には、米ドルを利用した仮想通貨取引を可能にする。
LVC代表取締役の高永受氏は、「BITFRONTのローンチはブロックチェーンを社会に広く浸透させるための大きな一歩です」とコメントしている。
加速するLINEトークンエコノミー構想
LINEは独自トークンLINKを中心とする経済圏を築き上げようと、2018年8月に「LINE Token Economy」構想を発表している。今回発表されたBITFRONTのほか、2019年に国内で仮想通貨取引所BITMAXを開設した。
LINEのブロックチェーン「LINK Chain」を基盤としたトークンエコノミー構想では、早ければ4月にも国内でLINKトークンの取り扱いを開始すると見られているほか、デジタル円と見られる「LINE YEN」の商標出願も話題になった。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:BITFRONTのWebサイトより