環境省がESG金融の普及・拡大に向けて創設した「ESGファイナンス・アワード」の第1回受賞企業が決まり、金賞には第一生命保険、ニッセイアセットマネジメント、芙蓉総合リース、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス、三井住友信託銀行など7件(7者)が選ばれた。
投資家部門、金融サービス部門など5部門で、環境大臣賞の金賞が7者、銀賞が13者、選定委員長賞にあたる銅賞が22者に送られた。
ESG投資・金融の重要性の高まりを受けて創設されたアワード
ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素の頭文字。企業の活動・投資にもこの観点を取り入れる必要性が近年高まっている。
環境省のESGファイナンス・アワードは、ESG金融に積極的に取り組む金融機関などや、環境サステナブル経営に取り組む企業を評価・表彰するというもので、2019年10月に創設発表されていた。受賞企業は次の通り。なお金賞と銀賞は環境大臣賞、同賞は選定委員長賞に位置づけられている。
環境サステナブル企業部門──金融系以外の大手企業
金賞:花王、キリンホールディングス
銀賞:積水化学工業、日立製作所、富士フイルムホールディングス
銅賞:アサヒグループホールディングス、味の素、伊藤忠商事、大阪ガス、小野薬品工業、東芝、パナソニック、富士通、丸井グループ、リコー
投資家部門──第一生命、ニッセイなど
金賞:第一生命保険、ニッセイアセットマネジメント
銀賞:アムンディ・ジャパン、ロベコ・ジャパン
銅賞:アセットマネジメントOne、日本生命保険相互会社、りそなアセットマネジメント
ボンド部門──不動産系も受賞
金賞:芙蓉総合リース
銀賞:東京建物、明電舎
銅賞:群馬銀行、ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント、トヨタファイナンス
金融サービス──一般社団法人が複数受賞
金賞のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスと銀賞の三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、東京都が創設した「東京金融賞」の2019年度受賞企業にも選ばれている。同賞は、金融サービスの課題解決や、環境や社会に配慮した投資指標の活用を推進するべく都が創設したもの。
金賞:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
銀賞:SMBC日興証券、損害保険ジャパン日本興亜、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
銅賞:一般社団法人CDPWorldwide-Japan、一般社団法人生命保険協会、ブルームバーグ エル・ピー
融資部門──メガバンクは2行が受賞
融資部門では、金賞に三井住友トラスト・ホールディングス傘下の三井住友信託銀行が、銅賞にメガバンクの三井住友銀行、三菱UFJ銀行などが選ばれた。地方銀行も3行選ばれている。
金賞:三井住友信託銀行
銀賞:九州フィナンシャルグループ、滋賀銀行、日本政策投資銀行
銅賞:伊予銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行
文・編集:濱田 優
画像:Shutter Rich / Shutterstock.com