仮想通貨取引所フォビ(Huobi)は、同社が今後展開するブロックチェーンはDeFi(分散型金融)アプリケーションとサービスの枠組みを金融機関に提供すると考えている。
シンガポールに拠点を置く仮想通貨取引所フォビ(Huobi)は2月29日、独自ネットワーク「フォビ・チェーン(Huobi Chain)」のテストネットでの展開に成功したと発表した。
同チェーンはレイヤー1プロトコル提供企業ネルボス(Nervos)と共同開発したもので、フォビはこの新しいブロックチェーンによって企業や規制当局は、新たに台頭しつつあるDeFi市場への取り組み方法を決定できるようになると語った。
「フォビ・チェーンによって、我々は業界全体のコラボレーションを促進する分散型フレームワークを提供したいと考えている。これはDeFiの幅広い普及に不可欠」とフォビのグローバルビジネス担当バイスプレジデント、シアラ・サン(Ciara Sun)氏は語った。
銀行を含む金融サービス業界の企業は、フォビ・チェーンを使ってアンチマネーロンダリング(AML)と顧客確認(KYC)に準拠したDeFiアプリケーションを開発できると同社は述べた。AMLとKYCは同チェーンに組み込まれている。
フォビの広報担当者は、同社はまだ銀行や他の金融機関との協議を開始していないが、フォビ・チェーンがパブリックベータを無事終えた後に協議を開始する計画とCoinDeskに述べた。
フォビ・チェーンを使うと、規制当局は同チェーンのDPoS(Delegated Proof of Stake)アルゴリズムを使ってブロックチェーンを監視することができる。またユーザーは分散識別システム(DID)を使って、複数の法域で規制当局による検証を受けることができるIDプロファイルを作成できる。
フォビは、トークン化された資産の発行、決済、身元確認、融資といった分野での同チェーンの利用を視野に入れている。
フォビ・チェーンはビットコイン、イーサリアムといった複数の仮想通貨をサポートする予定だが、フォビのオリジナルトークン「フォビ・トークン(Huobi Token)」が唯一のユーティリティトークンとなる。他のタイプのトークンも今後サポートの予定とフォビは述べた。
フォビ・チェーンのメインネットは2020年後半の予定だ。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shuttrstock/Burdun Iliya
原文:Crypto Exchange Huobi’s DeFi-Focused Blockchain Released in Public Beta