サムスン、銀行向けブロックチェーンソリューションで欧州の決済業界を狙う

サムスンの法人テクノロジー部門は事業会社および銀行向けに、ブロックチェーンベースの決済ソリューションを構築している。

コリア・ヘラルドは3月4日、サムスンSDSがイスラエルのフィンテックソリューション企業クレドラックス(Credorax)と覚書(MOU)を交わし、決済データを自動的に銀行の取引履歴と台帳に記載することで効率化を図るソリューションの開発に取り組むと伝えた。

この製品はまだ正式に発表されていないが、2017年に発表されたサムスンSDSの独自ブロックチェーンプラットフォーム、ネクスレジャー・ユニバーサル(Nexledger Universal)で稼働する。業務プロセスは同社のAIテクノロジー、Brity Worksを使って自動化される。

サムスンSDSのHong Won-pyo社長兼CEOは、すでにEU諸国をはじめとする幅広い経済エリアの企業にソリューションを提供しているクレドラックスとの合意は、同社にとって当該地域の決済分野への進出の足がかりになる」と現地メディアに語った。

「決済ソリューションに特化したクレドラックスとともに、サムスンSDSはデジタルトランスフォーメーションを志向しているヨーロッパでの事業拡大を目指す」

我々はクレドレックスにコメントを求めたが、返答はまだない。

サムスンSDSは2月、定款を変更し、主要な事業領域の1つとしてe-ファイナンスを含めた。同社の企業価値は2019年、37億ドル増加し、より広範なテック業界の平均成長率を上回った。コリア・ヘラルドの取材に、同社チーフ・ストラテジー・オフィサーのIm Soo-hyun氏は、同社の幸運はAIとブロックチェーンテクノロジーへの進出が成功したことにあると述べた。

2019年11月、サムスンSDSはイスラエル企業QEDITとの提携を通してゼロ知識証明を統合し、ネクスレジャーでのプライバシーを強化すると発表した。ネクスレジャー上に構築された医療請求処理システムは2019年末にローンチした。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Samsung to Target EU Payments Sector With Blockchain-Based Solution for Banks