中国政府、中国人民銀行のブロックチェーン貿易金融プラットフォームに5億円を投入

中国政府は、中国の中央銀行である中国人民銀行が開発・主導するブロックチェーンベースの貿易金融プラットフォームに追加資金を提供する。

中国人民銀行(PBoC)は、貿易金融プラットフォームの研究・開発のために政府から「特別資金」として3年間に3235万元(約470万ドル)を受け取る。関係者が地元メディアに認めた。

このプラットフォームは公式には「Bay Area Trade Finance Blockchain Platform」として知られ、銀行と企業は注文、ロジスティクス、決済のデータをシステムに保存し、効率化を実現できる。また規制当局はより広範な監視が可能になり、中小企業はより洗練された資金調達ツールが利用できるようになると言われている。

中国人民銀行のデジタル通貨リサーチラボ(Digital Currency Research Lab)が主導する同プラットフォームは、深センに拠点を置く企業が利用できる。主要商業銀行──中国銀行、スタンダードチャータード銀行、中国平安保険など──は2018年9月、同プラットフォームが公開テストフェーズに入った際にテストに招待された。

2020年1月、新華社通信は同プラットフォームは38行の銀行ネットワークで使用され、合計取引高は900億元(約130億ドル)を超えたと伝えた。中国政府からの新たな資金を使って、中国人民銀行は企業の同プラットフォーム採用を強化していく。

マッキンゼーのレポートによると、同プラットフォームは銀行、中小企業、サービス提供企業に「新しい巨大な機会を生み出す」可能性がある。低金利とともに、融資承認までの時間も20分程度に短縮されるだろうとマッキンゼーは見ている。

中国の習近平国家主席は2019年秋、ブロックチェーン技術に関して、政府の投資の強化、コア技術の開発を含めて「機会をつかむ」必要があると述べた。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:China Injects $4.7M Into Central Bank’s Blockchain Trade Finance Platform