ビットコインは2カ月ぶりの安値まで下落した翌日、伝統的な金融市場とともに回復を見せている。
景気刺激策への期待か
CoinDeskのBitcoin Price Indexによると、ビットコインは現在、8070ドル付近で取引され、2カ月ぶりの安値となった9日の7640ドル付近から5%上昇した。
ドイツのDAX、フランスのCACなどヨーロッパの主要な株式指数も記事公開時点でプラスに転じた。一方、S&P500種先物は現在、4%以上、上昇している。
石油価格は7%上昇、米国債10年物の利回りは0.70%となり、9日に記録した史上最低の0.35%から35ベーシスポイント近く上昇した。
だが、ゴールドは1%近く下落し、1オンスあたり1665ドルとなっている。
この回復は、人気アナリストのホルガー・シャエピッツ(Holger Schaepitz)氏が指摘したように、米当局による新たな景気刺激策への期待が関係しているようだ。トランプ大統領は9日、ホワイトハウスと議会は10日、所得税減税を含む大規模な経済救済策を検討すると発表した。
依然として楽観的
ビットコインは、株式市場の回復が続いた場合、9日の上昇を続ける可能性がある。さらに、5月に予定されている半減期のため、一部の仮想通貨ファンドマネージャーのマクロ視点は依然として楽観的だ。
「ビットコインと幅広い仮想通貨市場は、幅広い普及と強い市場心理の継続を背景に、株式市場に対して急速に回復すると期待している」と香港に拠点を置く投資ファンド、Keneticの共同創業者兼マネージングパートナーのJehan Chu氏はCoinDeskに語った。
「短期的には、このマクロ市場のショックによって、ファンドやスタートアップは資金調達が難しくなるだろう。だが中長期的にはブロックチェーン技術と仮想通貨のユースケースを間違いなく強化する」と同氏は付け加えた。
売り手の枯渇?
9日のローソク足に現れた長い下ヒゲは、弱気相場の疲労を示している。さらに4時間足チャートのMACD(移動平均収束拡散手法)指標は0以下で高めの安値を示している。これは弱気相場の勢いが弱まっているサインだ。
そのため、8200ドル(9日の高値)への強い回復は無視できない。とはいえ、ビットコインは、現在8480ドルのヘッドアンドショルダーズ(三尊)のネックライン抵抗線を下回っている限り、依然として弱気のままだ。
マイナス面としては、9日の安値7636ドルは重要な支持線となる。もしここを下回った場合、多くの売り手が市場に加わり、7000ドルに向けた下落を招くかもしれない。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:CoinDesk
原文:Bitcoin Back Over $8K as Traditional Markets Rebound