ビットコイン価格が3月12日夕から13日にかけて40%以上下落し、一時50万円を割り込み、45万円台を記録した。45万円台を付けたのは、2019年3月以来約1年ぶりで、2017年のバブル後、最安値の水準だ。
その後、ビットコインはリバウンドし、65万円台を回復。じり下げの様相となっている。その他の仮想通貨を見ると、13日16時43分現在、上位5種の仮想通貨は、軒並み15%以上も下落している。ビットコインのマイニング(採掘)に与える影響も必至だ。
マイニング事業を手掛けるビットフューリー紺野氏はどう見るか
ビットコインのマイニング事業などを手掛けるビットフューリー日本代表の紺野勝弥氏は、「(ビットコインの)急落の要因はコロナショックだ。さらに不安が不安を呼び込み、世界同時株安・金融不安につながっている。今は金すら下がる相場環境で、“Cash is King”の時代が到来したといえる」と話す。
ただし、株価の下落については「リーマンショック時の最低だったPBR0.8倍(編注:PBRは株価純資産倍率のこと。1倍は株価と資産価値が同じを意味し、これを割り込むと割安とされる)に到達してきているので、そろそろ底打ちの気もしなくもない」との予測も述べている。
3月9日にも別の市場関係者は、「ビットコインを売って、円などの法定通貨に戻す動きが明らかに見られる。ビットコインを含めて、すべてのアセットクラスにおいて、下げ相場がいよいよ始まった」との見方も示していた。
「価格見通しは不透明。10日後の難易度調整に注視」
マイナーへの影響について紺野氏は「一時3,500ドルくらいまで下がったので、さすがにマイニングを止めているマイナーもいるはず」と話す。
ビットコインは5月に半減期を控えている。半減期とは、ビットコインのマイニングで得られる報酬が、約4年ごとに半分になる仕組みのこと。
半減期を迎えると新規供給量が減るため、価格上昇要因になるとされてきた。しかし、紺野氏は価格の見通しについて「不透明」としたうえで、「(マイニングの)難易度調整が10日後なので、その動きを注視したい」と話した。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Wit Olszewski via Shutterstock
(初公開時からタイトルを変更しました)