コロナ詐欺に注意——高利の「出来すぎた話」や寄付:英規制当局

イギリスの金融規制当局である金融行動監視機構(Financial Conduct Authority:FCA)は投資家に対し、コロナウイルス関連の仮想通貨詐欺に気を付けるよう呼びかけている。 

2020年3月11日(現地時間)付の一般向け警告の中でFCAは、イギリスで約460人が感染し、8人が死亡したコロナウイルスの急速に拡大する世界的なパンデミックに、詐欺師たちがつけ込もうとする可能性があると述べた。

「コロナウイルス(COVID-19)に関連する詐欺に注意してください」とFCAは述べた。「これらの詐欺は多くの形態をとり、保険証券、年金の移転、仮想通貨への投資を含めた、高利回りの投資機会に関するものかもしれません」

今回の警告は、世界保健機構(WHO)が、これまでに12万人以上が感染したCOVID-19を世界的パンデミックと宣言した同日に発せられた。当記事執筆時点では、状況はさらに混沌となっている。イタリア、中国、ニューヨーク州ニューロシェルは様々な封鎖の段階にある。大学では授業をオンラインで行い、企業は在宅勤務に移行、金融市場は10年間ほどの安定した利益を消し去っている。

これに対しFCAは「出来すぎた話」の投資、特に仮想通貨への投資に注意するよう警告した。過去のFCAによる仮想通貨への警告からの馴染みある文句を引用している。「高利回りの投資や仮想通貨への投資を決断したら、所有するお金をすべて失う覚悟をするべきだ」

ロンドンの英国詐欺情報局(National Fraud Intelligence Bureau:NFIB)によれば、詐欺師たちはまた、WHOや米疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)などへのビットコインの寄付を求める偽のお願いでコロナウイルスのパンデミックを悪用しようとしている。

サイバー犯罪の情報を取り扱うNFIBは、これらの仮想通貨-コロナウイルス詐欺はおおむね失敗していると述べた。NFIBが2月以降報告した21件のコロナウイルス関連の詐欺のうち、実際に被害者のビットコインを要求したものは少数で、うまくいったものはなかった。しかし、仮想通貨関連ではないコロナウイルス詐欺は、80万ポンド(約1億680万円)以上を被害者からまきあげた。

アメリカのジョージア州、ユタ州、オレゴン州、米証券取引委員会(SEC)やマルタを含め、他にもいくつかの政府機関がコロナウイルス関係の投資詐欺への警告を発した。

翻訳:山口晶子
編集: T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:UK Financial Regulator: Watch Out for Coronavirus Crypto Scams