ネット証券で「投信積み立て」拡大、コロナショック・株価下落でさらに拡大か

オンライン証券で投資信託の積立設定金額が増えている。SBI証券は3月16日、投資信託の積立設定金額が3ヵ月半で3割増え、200億円を超えたと発表。楽天証券も同日、積立設定金額が1年で2倍となる約165億円になったと発表した。2ヵ月半で3割弱、35億円ほど増えている。

新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、足元の株式相場が大きく下落する中、積み立て投資を検討する個人投資家が増えているとみられる。

楽天証券は2月だけで新規口座開設数が10万突破

SBI証券では、投資信託の積立設定金額が19年11月末の150億円から3ヵ月半で50億円余り増え、200億円を超えている。この額はネット証券で最大級という。

楽天証券は口座数が400万を超えたと発表。19年12月期の決算から、24万口座ほど増えていることになる。特に2月の新規開設数は初の10万口座を超え、これは単月当たり口座増加数でネット証券業界で最多水準だという。

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両証券会社は手数料が安いことや、オンライン証券では大手ということもあって、投資初心者が最初の口座開設先として選ぶことが多いとされる。SBI証券は2019年に口座開設した人のうち8割超が投資経験がないといい、楽天証券も19年の新規開設者は投資初心者が7割を占める。

新規口座開設する初心者の投資額は大きくないものの、積み立てで長期にわたれば大きな額になるはずだ。ただ今後しばらく値動きの激しい相場が続く場合、新たに投資を始めたものの手仕舞いをしてしまう可能性もありそうだ。

文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock.com