仮想通貨取引所がブロックチェーン使ったデジタルアイテム取引サービス開始【NFT】──米ジェミニ

米仮想通貨取引所のジェミニが3月17日、子会社を通じてデジタルアイテム取引サービスを開始した。取り扱うアイテムはデジタルだがブロックチェーンで管理されコピーできないため、希少性が担保されるという特徴がある。

ウィンクルボス兄弟のジェミニが参入。写真やアート作品を売り出し

利用者はNifty Gatewayのマーケットプレイスで、ノンファンジブル・トークン(NFT、代替不可能なトークン)を売買できるようになる。クレジットカードでのアイテム購入だけでなく、米ドルでの売却と米国銀行口座への引き出しができるようになった。

今回売り出されるのは、写真家のライル・オワーコ、芸術家のマイケル・ケーガン、総合格闘家のクリス・サイボーグの作品。3週間の限定販売で、その後も同様に限定アイテムを売り出す予定だ。

ジェミニは、2014年にウィンクルボス兄弟がニューヨークで設立した仮想通貨取引所。ウィンクルボス兄弟といえば、Facebookのアイデアをマーク・ザッカーバーグCEOに登用されたとして訴訟を起こしたことなどで知られる。ジェミニは2019年11月、NFT取引を手がけるNifty Gatewayの買収を発表していた。

代替がきかないNFT、活用の幅広がる

NFTとは、コピーされない唯一性をもつトークン(権利を表すデータ)のこと。たとえば1万円の紙幣はどの1万円紙幣でも同じ価値だが(ファンジブル)、NFTはそれぞれに固有な価値がつくため代替がきかない(ノンファンジブル)。

NFTは、デジタルなアイテムとして幅広く応用されている。世界的に有名なブロックチェーンゲーム「クリプトキティー」では、NFTのネコに1000万円相当の値がついたこともある。またデジタルドレスが100万円で売れた例もある。

文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock.com