24日火曜日、金融市場は、景気刺激策が上院を通過する見通しが立ったことを受けて反発した。
上昇は日本の日経平均株価から始まった。日経平均株価は協定世界時(UTC)24日5時、7%上昇して取引を終えた。ヨーロッパ市場も同様に強気となり、ロンドン株式市場のFTSE100種総合株価指数は8%超の上昇となった。
アメリカ市場では、S&P500種株価指数は9%上昇した。23日にアメリカ市場が2016年以来の上昇分を失ったことからは一息ついた。
15日に連邦準備制度理事会(FRB)が発表した金利引き下げと量的緩和(QE)による景気刺激策は、株式市場の出血を食い止めることができなかった。
しかし、24日のアメリカ市場の状況から判断すると、上院で検討が進められている景気刺激策は、FRBの金融政策よりも市場の出血を止めることに役立っている。
強気は仮想通貨の大部分まで及んだ。ビットコインはUTC20:00時点で6%上昇している。その他、この24時間で注目すべきとしては、モネロ(XMR)が10%上昇、ネオ(NEO)が6%上昇、ビットコインキャッシュ(BCH)が4%上昇となっている。
「中央銀行が無制限の量的緩和でより多くのリスクを負うと、それに応じて『信頼性リスク』が上昇する。この信頼性リスクは、ビットコインやゴールドといった代替資産にとってプラスになる」とロンドンのデジタル資産企業Bequantのデニス・ヴィノコウロフ(Denis Vinokourov)氏は語った。
実際、ゴールドは24日も上昇し、UTC20:00時点で4%の上昇となった。
仮想通貨トレーダーは、デジタル資産が3月12日に発生した暴落からの継続的な回復を支えた個人投資家の存在を指摘した。12日、ビットコイン価格はコインベース(Coinbase)などの取引所で3850ドルまで下落した。
「この水準で大量の個人投資家の買いが入っている。素晴らしいことだ」とアラメダリサーチ(Alameda Research)の相対(OTC)取引責任者ライアン・サラメ(Ryan Salame)氏は語った。
「ゴールドとビットコインの相対取引需要はともに堅調。しかし、取引は移動の制限などで困難になっている」とスウェーデンの仮想通貨トレーダー、ヘンリック・クーゲルベルク(Henrik Kugelberg)氏は指摘した。
24日、ビットコインが6400〜6800ドルで取引されたなか、新型コロナウイルスによる封鎖とは関係なく、基本的な出来事が近づいている。
5月中旬に予定されているビットコインの半減期は、マイナーの報酬を減らすことになる。過去2回の半減期──2012年と2016年──では、ビットコイン価格は最終的に上昇した。
だが、過去の半減期の後、価格は劇的に上昇したものの、上昇までに時間がかかったことは注目に値する。
今回の半減期では、新たに作られたビットコインに対する報酬は現在の12.5ビットコインから6.25ビットコインになる。多くの個人投資家が、半減期がいつ、どのように起こるかを理解するようになれば、ビットコイン価格は上昇を続けるという見方もある。
「特に市場が半減期に向かっている今、この動きはそのまま続くと期待されている」とBequantのヴィノコウロフ氏は指摘した。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Coindesk
原文:Stocks, Bitcoin Rally on Prospects for US Senate Stimulus Bill