主にアジアを主戦場にしてきた仮想通貨デリバティブプラットフォームが、米国進出の動きを見せている。
シンガポールに拠点を置くビットゲット(Bitget)は2020年3月27日(現地時間)、アメリカでの全面的ローンチの計画に先立って、米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)にマネー・サービス・ビジネス(MSB)として登録した。
2018年創業のビットゲットは、個人・機関投資家向けに仮想通貨取引サービスを提供する。スポット取引所としてスタートしたが、昨夏からデリバティブに軸足を移し、同社広報担当者によれば、1日の平均取引高は現在約10億ドル(約1000億円)となっている。
MSBとしての登録は、アメリカのどこにおいても、ビットゲットが合法の取引所として運営されるための第一歩であると、同社広報担当者は述べた。大半の業務のため、同社は州レベルの免許も必要となってくる。
MSBの登録書類によれば、同社の米国支社はコロラド州デンバーにある。
中国で人気、日韓にも拠点。EUも狙う
広報担当者によると、同社は欧米で目立たない存在だったが、80万人強の顧客ベースのほぼ3分の2を占める「中国市場においては非常に人気」だ。同取引所は、英語でのサービス提供も開始した。
同社はさらに、日本と韓国にもオフィスを設置し、先月にはシンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore:MAS)から、8月末までさらなる規制当局の認可がなくとも仮想通貨関連サービス提供業者として運用できるための、ライセンス免除の適用を受けた。
ビットゲットは、シンガポールで完全にライセンスを受けた企業になるべく取り組みを進めており、EU(欧州連合)での運用のための許可証を申請することも計画していると述べた。
翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Singapore Crypto Exchange Eyes US Expansion After Registering With FinCEN