マイクロソフトは、人間が運動したり、広告を読んだりした際に収集したデータを使って、仮想通貨マイニングを行うシステムの特許を申請した。
3月26日、世界知的所有権機関(WIPO)に提出された特許出願においてマイクロソフトは、センサーは特定のタスクに関連づけられた活動──広告の閲覧など──を検出することができ、従来のプルーフ・オブ・ワークシステムとほぼ同じ方法で計算問題を解くために、その活動をコンピューターが読み取り可能なデータに変換することができると述べた。
「従来の仮想通貨システムが必要とする大規模な計算作業の代わりに、ユーザーの身体活動に基づいて生成されたデータは、プルーフ・オブ・ワークとして機能し、これにより、ユーザーは無意識のうちに困難な計算問題を解決することができる」と特許出願書類には記されている。
このシステムは、仮想通貨をマイニングするために身体運動を利用することができる。つまり、センサーは心拍が上がるなど、ユーザーの身体活動を検知し、そのデータを使ってマイニングを行う。
頭部に接続されたスキャナーは、脳波を使って仮想通貨をマイニングすることもできる。
マイクロソフトは、このシステムはユーザーに特定のタスクを行うインセンティブを与えるために使われる可能性があると述べた。
スキャナーは、広告を読むときの集中状態など、特定の種類のタスクからの活動を検出することができ、ブロックを検証して、ユーザーに仮想通貨を報酬として与えることができる。
2017年後半、オランダ企業が、人間は仮想通貨マイニングに必要なエネルギーを生み出しているかどうかを調査した。
調査では、2〜3時間にわたって集められた37人の体温は、コンピューターが8日以上、継続的にマイニングするために十分なエネルギーを生み出していることが明らかになった。
マイクロソフトはこのシステムを設計したが、実際に開発を進めているかどうかはわからない。また、このプロトコルが既存のプロトコルを実行するものなのか、あるいは全く新しいブロックチェーンをベースにしたものなのかもわからない。
マイクロソフトは特許申請書類の中で、システムは完全に中央集権化されることを示した。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Microsoft Files Patent Application for Crypto Mining System Powered by Human Activity