台湾のスマートフォンメーカー・HTCのブロックチェーンスマホ「エクソダス(EXODUS)」は、暗号資産(仮想通貨)マイニングが可能になる。だがリッチにはなれそうにない。
4月10日にフォーブスが伝えたところによると、HTCはMidas Labsと提携、同社製ブロックチェーンスマホ「Exodus 1S」で「DeMiner」アプリが使えるようになる。
DeMinerは、モネロ(XMR)のマイニングが可能で、1日平均で最大0.0038ドル(約0.4円)相当のモネロを手に入れることができる。記事によると、マイニングに使用される電力は、マイニング収益の半分以下だ。
マイニング収益でスマホ費用をカバーすることは現実的ではない。実際、1モネロ(現在、約53ドル)を稼ぐには、およそ1万3680日(約37年)かかる。
しかしHTCは、この取り組みは暗号資産マイニングをより分散化させることが目的と述べた。
暗号資産マイニングは、競争が激しくなるなか、通常のコンピューターからグラフィックカード、さらにはASICSと呼ばれる専用プロセッサーにまで進化してきた。
そのためスマートフォンを使ったマイニングは、少なくとも斬新であり、暗号資産の普及と教育を促進するかもしれない。
HTCは、エクソダスで使用されるDeMiner──2020年第2四半期にローンチ予定──は、マイニング(あるいはハッシュ)パワーにおいてはデスクトップコンピューターとほぼ同等で、消費電力ははるかに小さいと述べた。
「問題は、ASICやCPUを使うべきかということではない。どのようにしてさらに分散化させ、より包括的な金融システムを確保するかだ」とHTCの最高分散化責任者フィル・チェン(Phil Chen)氏はフォーブスの記事で述べた。
HTCは2019年10月にエクソダス1Sを発表、ビットコインのフルノードを実行できる唯一のスマートフォンとアピールしている。エクソダスは、内蔵のハードウエアウォレット「ジオン(Zion)」に暗号資産を保管できる。HTCによるとジオンは「軍用レベル」のセキュリティを誇る。
2020年3月、HTCはビットコインのフルノードもサポートする5Gルーターを発表した。
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:CoinDesk
原文:HTC Is Bringing Cryptocurrency Mining to Its Exodus Blockchain Phone