中国がブロックチェーンを強力に推進するなか、新しい国家ブロックチェーン委員会に中国テック大手は揃って参加している。
中国工業情報化部(MIIT)は4月12日、「全国ブロックチェーン・分散型会計技術標準化技術委員会」と名付けられた委員会に参加する71の企業・団体のリストを発表した。同委員会は、ブロックチェーン技術の業界標準の議論と策定を行う。
当然ながら委員会は、拡大を続ける中国のテクノロジー業界に重点が置かれている。つまり、ファーウェイ(Huawei)、バイドゥ(Baidu)、フィンテック企業のテンセント(Tencent)やアントファイナンシャル(Ant Financial)、eコマース大手のJD.comなどはすべて参加しており、中国の技術系大学や関連する規制当局も参加している。
中国人民銀行のさまざまな技術研究部門、そしてデジタル人民元に取り組む部門も参加している。
その他、保険・銀行の複合企業である中国平安保険やQianhai Weizhong Bank、車部品メーカーの万向集団など、他業界の企業も参加している。
幅広い業界を委員会に加えたことは、中国は「チャンスをつかみ」、ブロックチェーン技術を使ってあらゆる業界で技術革新を推進しなければならないと述べた習近平国家主席の10月のスピーチを踏まえれば、当然だろう。
他の国々にも影響を与えるか
このブロックチェーン委員会で合意された標準は、他の国々の規制当局や業界に影響を与える可能性がある。
中国工業情報化部はこれまでにも、デジタル資産に関して中国の主導的立場を確立しようとしてきた。2018年には、関連する研究グループが、技術的能力とユースケースに基づく仮想通貨の評価を一般向けに公開し始めた。
ファーウェイは長年、中国のブロックチェーン分野で強気の姿勢を見せてきた。フェイスブック(Facebook)が2019年6月にリブラを発表してまもなく、ファーウェイの任正非CEOは、リブラに対抗するために中国は独自のデジタル資産を開発すべきと語った。
2018年、同社はスマートフォン対応の仮想通貨ウォレットアプリを発表、またユーザーが独自のスマートコントラクトを作成できるブロックチェーン・アズ・ア・サービス(BaaS)プラットフォームもリリースした。
委員会の参加メンバーの中で、「純粋な」ブロックチェーンスタートアップと呼べるのは一握りに過ぎない。その1社であるコンフラックス(Conflux)は、スケーリングソリューションを開発しているスタートアップで、2019年12月に上海市政府から資金援助を獲得している。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Huawei, Tencent, JD.com Among Big Names on China’s New Blockchain Committee