金融危機について学べる映画を先日紹介したが、今回は金融や経済に関する事物や史実を取り扱ったドキュメンタリー映画・ドラマで、Amazonプライムビデオで見られる作品を紹介する(要レンタル含む)。2020年のゴールデンウイークは自宅で過ごす時間が例年より長くなるはず。未見の作品があればこの機会にいかがだろうか。
『ウォーレン・バフェット氏になる』
投資会社バークシャー・ハサウェイの会長、オマハの賢人ことウォーレン・バフェット氏に密着した、HBO制作の本作。邦題は原題”BECOMING WARREN BUFFETT”をそのまま翻訳してつけられている。今なおネブラスカ州オマハに住む本人の毎日の過ごし方、家族へのインタビューなどを通して、氏の投資哲学に迫る。氏の肉声が聴ける機会はなかなかなく、投資家必見の一作と言える。88分。
『ジャイアント・ビースト ~グローバル経済の謎を解き明かせ~』
2019年公開のAmazonオリジナル作品。原題は「This Giant Beast That is The Global Economy」。ホスト役として、人気ドラマ『24』『サバイバー:宿命の大統領』などにも出演経験のある俳優カル・ペンほかが出演。「マネーロンダリングの手引き」「お金って紙くず?」など39〜46分の8エピソードで構成されている。そこで取り上げられるテーマは、資金洗浄、暗号資産(仮想通貨)、偽札、AI、超富裕層などいずれも興味深いものばかりではないだろうか。
『世界沈没』
「今日が世界最後の日だとしたら」という仮定で、科学者の監修の下、巨大津波、パンデミック、隕石衝突など4つの異なるシナリオを紹介したBBC制作のドキュメンタリータッチのドラマ。2004年の作品だが、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、多くの死者を出している今見ると、ドラマで描かれるシナリオをフィクション、他人事、つくりものとは考えられないはずだ。ギャレス・エドワーズ監督。48分。
『リーマン・ブラザーズ最後の4日間』
これもBBC制作のドキュメンタリータッチのドラマ。タイトルにあるとおり倒産したリーマン・ブラザーズの最期を描いた作品だ。2008年9月のリーマン・ショックは言うまでもなく、世界金融危機の引き金となった、金融史に残る大事件。監督はマイケル・サミュエルズで、名優ジェームズ・クロムウェルがポールソン財務長官を演じている。52分。
『マジック・マネー』
副題に「ビットコイン革命のドキュメンタリー」とある本作が制作されたのは2016年。つまりビットコインが過去最高値をつけるよりも前、まさに注目前夜につくられた、大きな可能性を示唆する作品だ。1BTC200万円を超えるという2017年12月のピークの後も、大きな価格の上下動を繰り返す暗号資産の王様・ビットコインが、これからどのような存在になっていくのか──。半減期を目前に控え、また価格が大きく上下する可能性が指摘されている今、短い歴史を振り返ってみるのもいいかもしれない。55分。
このほか、『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』やマイケル・ムーア監督の『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』は既に紹介しているので割愛した。このほかにも史実を題材にした映像作品はあるので、探してみるのも面白いかもしれない。
文・編集:濱田 優
画像:Homesh Nasre / Shutterstock.com