暗号資産を大量に保有し、市場では「クジラ」と呼ばれる投資家が、ビットコインを買い増す動きが見られている。ブロックチェーンデータを基にマーケット動向を分析するグラスノード(Glassnode)の調査で分かった。
- 10000BTC以上のビットコインを保有するアドレスの数は4月29日現在、7日間移動平均ベースで111件に増加。2019年8月2日以来最多。
- 今年3月上旬から11%以上、増えている。
- 「長期間保有してきた投資家が、市場(オンライン)で買い増している結果として、大量保有アドレスが増加している可能性がある」(暗号資産のインデックスファンドを組成するスタック・創業者、マシュー・ディブ氏)
- 実体経済のマクロ要因に加えて、ビットコインのマイニング報酬の半減期を5月に控えるタイミングが、長期・大量保有投資家の買い意欲を刺激した模様。
富裕層のクジラとインフレヘッジ
ビットコイン発行量の上限は2100万ビットコイン。これはあらかじめプログラミングされたビットコインの金融政策で、多くはこれを理由に、ビットコインが金(ゴールド)に類似したインフレをヘッジする資産クラスだと主張する。
- 「(大量のビットコインが保管される)アドレスの中には、富裕層に属する個人投資家や組織が所有するものもあるだろう。ビットコインの半減期を目前に、また、新型コロナウイルスのパンデミックが実態経済に未曽有のインパクトを与える中、資産ポートフォリオのビットコインのポーションを増やしている可能性はある」(暗号資産購入プラットフォームを運営するインターラプス・テクノロジー社CEO、ウェイン・チェン氏)
- マイニング報酬の半減期は5月12日に予定されている。同報酬は1ブロックあたり現在12.5BTCから6.25BTCに下がる。
編集:佐藤茂
写真:Shutterstock
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