米セキュリタイズ、デジタルIDを開始──デジタル証券の本人確認スピーディに

デジタル証券の発行・管理プラットフォームを開発する米セキュリタイズは5月8日、デジタル証券市場でスピーディに本人確認ができる「Securitize ID」の導入を開始する。

Securitize IDは、デジタル証券の発行体企業と投資家を対象に、コンプライアンスに準拠したログイン機能を持ち、簡単に利用できるという。セキュリタイズが発表した内容は以下の通り。

  • 投資家がSecuritize IDを利用すれば、本人確認(KYC=Know Your Customer)書類を発行体企業からの新規募集にワンクリックで共有できる。
  • 同IDを利用すれば、投資家は発行体とのKYCプロセスを効率よくできる。
  • 数分の手続きを一度すれば、本人確認は完了。その後、再度利用できる。
  • 個人向け本人確認:セルフィー、写真付き身分証、居住証明、高度の投資家向けKYCに対応。

企業にとっての利点

  • 法人向け取引先確認:法人設立文書、最終受益者、法的署名者の本人確認を含み、企業確認(KYC)の要件を満たす。
  • 同IDはあらゆるプラットフォームに接続可能。
  • セキュリタイズは、第三者機関のサービスを利用し、同IDを通して登録された全ての投資家、ウォレットの定期スクリーニングを行う。
  • 投資家が国内外政府の制裁対象リストに記載されていないことを確認。
  • 「新しい機能、特に規制当局の審査を必要とする機能のリリースは簡単ではないが、発行体にかかる時間とコストを削減でき、投資家に良い体験を提供できるSecuritize IDをリリースすることができ嬉しく思う」(セキュリタイズCEO兼共同設立者・カルロス・ドミンゴ氏)

セキュリタイズには、三菱UFJイノベーション・パートナーズ、野村ホールディングス、SBIホールディングス、ソニーフィナンシャルホールディングス、グローバル・ブレイン(GB)などの日本企業が出資。同社は、改ざん耐性を装備するブロックチェーンを活用した、証券の発行・流通プラットフォームの開発を進めている。

文・編集:佐藤茂
写真:セキュリタイズCEOのカルロス・ドミンゴ氏/CoinDesk Japan撮影)