Yコンビネーター(Y Combinator )の支援を受けるスマートコントラクト監査スタートアップ、クォントスタンプ(Quantstamp)は 2019年3月5日水曜日(現地時間)、 日本子会社 「クォントスタンプ・ジャパン合同会社」を設立することを発表した。
クォントスタンプは2018年夏、プロサッカー選手・本田圭佑氏の手がける個人ファンド「KSK Angel Fund」や野村ホールディングス、インターネット関連事業のデジタルガレージから「巨額の」資金調達を受けた。
クォントスタンプ・ジャパン合同会社は、国内のスタートアップや企業が「安全な」ブロックチェーン技術を使用できるように手助けすることを目指す。
同社の共同創業者で、CEOのリチャード・マー(Richard Ma)氏は、日本における、スマートコントラクトをベースとしたアプリの市場は「強く」、「今後も成長していくのみ」だと述べている。
日本法人の設立と事業展開にあたり、野村ホールディングスイノベーション推進担当、八木忠三郎執行役員は以下のように述べている。
「 今後、金融の世界でブロックチェーンが採用されるにつれて、スマートコントラクトはさらに重要な役割を果たしていき、最高レベルのセキュリティ、監査や認証がますます不可欠なものになると想定しています。ブロックチェーンのセキュリティ拡充を目指しているクォントスタンプには大いに期待しています」
スマートコントラクトとは、ブロックチェーンに埋め込むことで、特定のルールを自動的に執行させることができるコード。
2017年に創業したクォントスタンプが開発者やユーザー向けに提供する、自動化されたツールは、スマートコントラクトに存在する「脆弱性を特定して、修復する」ことを支援する。またそれだけでなく、大型ブロックチェーンプロジェクト向けに、セキュリティーを確実にするための監査サービスも提供している。同社は、2017年にシードアクセラレーターであるYコンビネーターのクラスにも参加している。
クォントスタンプによると、同社のサービスがこれまでに安全性を保ってきた取引の総額は5億ドル(約554億円)を超える。
昨年5月、野村ホールディングスは、デジタルアセットのカストディ・サービス提供に向けて、仮想通貨ウォレットスタートアップ、レッジャー(Ledger)、および投資顧問会社、グローバル・アドバイザーズ・ホールディングス(Global Advisors Holdings)と共同研究を進めることを発表した。
一方、デジタルガレージの子会社、クリプトガレージは、ビットコインインフラ開発スタートアップ、ブロックストリーム(Blockstream)と提携して、日本円と連動したステーブルコインの発行をテストしていることを2018年1月に発表している。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Nomura image via Shutterstock
原文:Japanese Finance Giant Nomura Invests in Smart Contract Auditing Startup