韓国カカオ子会社が100億円調達。ブロックチェーン活用しサービス海外展開へ

韓国最大のチャットアプリを展開するカカオ(Kakao)のブロックチェーン子会社、グラウンドX(Ground X)は、特定の投資家などにトークンを販売する「プライベートセール」で9000万ドル(約100億円)の資金調達に成功した。

グラウンドXのCEO、ジェイソン・ハン(Jason Han)氏は、IDGキャピタル、クレセンド・イクイティ・パートナーズ、トランスリンク・キャピタルなどが投資ラウンドに参加したと述べている。2019年3月11日月曜日(現地時間)にブルームバーグが報じた。また、6月に自社ブロックチェーンプラットフォームをローンチするのに備えて、3月12日に始まる投資ラウンドでも「同様の金額」を調達することを目指す。

カカオがブロックチェーン子会社を設立する計画を発表したのは、2018年3月のこと。同社は、アプリ開発者が開発時に活用できるブロックチェーンプラットフォームを開発するためにグラウンドXを設立したと明かした。当時、カカオの経営トップは、今後開発されるであろう、ブロックチェーンをベースとしたサービスとチャットアプリ「カカオ・トーク」などの同社が既にインターネット上で提供しているサービスを統合することが狙いだと語っていた。

昨秋、グラウンドXは、独自のブロックチェーンネットワーク「クレイトン(Klaytn)」のテストネット(試験的ネットワーク)を立ち上げた。同社はすでに、クレイトン上でアプリを稼働させることを目指す26社と提携しているとハン氏はブルームバーグに語っている。韓国のゲーム開発企業のウィーメイド(Wemade)、動画配信プラットフォームのウォッチャ(Watcha)、そして中国の旅行代理店、ザナドゥ(Zanadu)などが名を連ねている。

グラウンドXは、ソウル都政が設立した組織、ソウルデジタル財団(Seoul Digital Foundation)と提携して、社会や公共向けのサービスに特化したブロックチェーンプロジェクトの開発に取り組む予定だとも述べている

2018年の韓国CoinDeskとのインタビューで、ハン氏は同社のプラットフォームは、簡単にまとめると「部分的、もしくは段階的な分散化」だと言えると語った。また、カカオが提供しているサービスの一部も分散化できるかもしれないとも。

同氏は以下のように付け加えている。

「トークンエコノミーは、いまだかつて誰も想像したことがなかったビジネスモデルです。カカオは、今日に至るまで、韓国内でのみ運営してきましたが、ブロックチェーンを利用すれば、世界へ拡大することができます。つまり、我々が仲介者として得ている利益の一部を使用して、ユーザーと共有しながら、市場を拡大していくということです」

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Jason Han image via CoinDesk archives
原文:Kakao’s Blockchain Arm Raises $90 Million in Private Token Sale