サムスン電子は、最新のスマートフォン「Galaxy S10」に搭載できる仮想通貨ウォレットを発表した。ウォレットは、4種類のDapps(ブロックチェーン上で作動する分散型アプリケーション)にも対応できるという。
CoinDesk Koreaが2019年3月10日に配信した記事によると、サムスン・ブロックチェーン・ウォレット(Samsung Blockchain Wallet)は、サムスン・ギャラクシー・ストアからGalaxy S10のみにダウンロードすることが可能。現在、イーサ(ETH)とERC20トークン(イーサリアムのプラットフォーム上で発行される規格トークン)に対応している。サムスンは今後、ウォレットを利用できる機種と、取り扱う仮想通貨の種類を増やしていく方針だ。
ウォレットが対応する4種類のDappsは、⑴ゲーム・プラットフォームのエンジン(Enjin)、⑵コスメ(美容)のSNSプラットフォームのコスミー(COSMEE)、⑶暗号資産化したゲームキャラクターを収集できるクリプトキティ(CryptoKitties)、⑷仮想通貨の決済サービスのコインダック(CoinDuck)。
Galaxy S10は3月8日に発売され、まず先行予約分の出荷が始まった。
コインダックのアプリと連動
サムスンは数週前に、仮想通貨の秘密鍵をハードウエア上で管理する機能「ブロックチェーンキーストア」を発表。これによって、決済や電子署名、仮想通貨の保管と転送が可能になった。CoinDesk Koreaの報道によると、今回発表されたウォレットは、ブロックチェーンキーストアと連動することで、初心者でも簡単に利用できるよう設計されているという。
また、コインダックのDappを利用すれば、仮想通貨での買い物が可能になると、CoinDesk Koreaは報じている。操作はシンプルで、支払い額を入力し、QRコードをスキャンして店のウォレットアドレスを読み取る。「承認(accept)」ボタンを押せば、決済は完了だ。
コインダックの親会社、チェーンパートナーズ(Chain Partners)はこう述べる。
「個人の仮想通貨ウォレットに、店のウォレットアドレスをコピー・ペーストするというのは不便だった。しかし、これでコインダックとサムスン・ブロックチェーン・ウォレットの利便性は劇的に改善した」
翻訳:Ryo Asai
編集:久保田大海、佐藤茂、浦上早苗
写真:Samsung S10 app image via Samsung/CoinDesk Korea
原文:Samsung Unveils Cryptocurrency Wallet, Dapps for Galaxy S10 Phone