AI予測のアルパカ、SBIとミンカブから10億円超を調達──金融プラットフォーム事業参入へ

人工知能(AI)で株式や国債、為替の市場予測を可能にする技術を開発してきたアルパカジャパンが、SBIグループと株価情報の「ミンカブ」を運営するミンカブ・ジ・インフォノイドから10億円を超える資金を調達した。

アルパカジャパンは6月5日、シリーズBラウンドにおける調達を発表。同社は2018年9月にシリーズAラウンドを実施し、三菱UFJ銀行やSMBCベンチャーキャピタルなどから資金を調達した。今回のラウンドで、累計調達額は20億円に達した。

アルパカジャパンはこれまで、為替や日本と米国の株式、米国債、欧州国債などの市場予測モデルを、国内の金融機関や事業会社のニーズに合わせて作り上げてきた。 中長期の市場を予測する「アルパカレーダー(AlpacaRader」と、短期予測の「アルパカフォーキャスト(AlpacaForecast)」を展開する一方、同社は今年3月にミンカブと包括業務提携を結び、データ分析ソリューションの共同開発を進めている。

ヒトとAIで創る金融プラットフォーム

「ヒトとAIのコラボレーション・プラットフォームを切り拓くテクノロジー・カンパニーを目指していく」(アルパカジャパン共同創業者・CEOの四元盛文氏)

「AIを中心としたソリューション事業に加えて、金融商品仲介業社(IFA)向けの新たな金融プラットフォーム事業への参入を準備しており、金融市場・金融システムにおける、ヒトとAIのコラボレーション・プラットフォームを切り拓くテクノロジー・カンパニーを目指していく」と、アルパカジャパン共同創業者・CEOの四元盛文氏は5日付の発表文で述べている。

アメリカでは多くの投資アドバイザー(Registered Investment Adviser=RIA)が個人投資家に資産運用のアドバイスを行い、日本でも独立系ファイナンシャルアドバイザー(Independent Financial Adviser=IFA)が類似したサービスを展開している。

アルパカは2015年に北カリフォルニアのサンマテオ市で生まれたスタートアップで、社名はAlpacaDB, Inc.。AIと独自のデータベースで市場予測を可能にする技術の開発を進めてきた。その後、2017年に日本の経営陣と従業員によるMBO(マネジメント・バイアウト)を実施し、アルパカジャパンとして日本を拠点に独立した。

文・編集:佐藤茂
写真:アルパカジャパン共同創業者・CEOの四元盛文氏 :撮影・多田圭佑