ルーマニアに拠点を置くエルロンド・ネットワーク(Elrond Network)は、コードの破壊に成功したノード運営者に報奨金として最大6万ドル(約650万円)を支払う15日間のキャンペーンを行っている。
「安全なプルーフ・オブ・ステーク(PoS)」だと強調するシャーディングプロトコルについてのホワイトペーパーを発表してから2年が経つが、今回のキャンペーンの狙いは開発したブロックチェーンをより良いものにすることだ。
シャーディング:トランザクションの検証を並列して行う技術。時間短縮が目的。
同キャンペーンは「Battle of the Nodes: Onchained」と名づけられた。エルロンドのベニアミン・ミンク(Beniamin Mincu)CEOの狙いは、悪意を持つハッカーよりも先に、協力者たちに善意のハッカーとしてエルランドブロックチェーンのあらゆるバグ、攻撃方法、脆弱性、クリティカルな弱点を探ってもらうこと。
このテストネットでの試験は、メインネットのローンチに向けた準備を進めるための一環だと、ミンクCEOは言う。
「攻撃とストレステストに耐え、ネットワークを15日間トラブルなく運用できれば、エルロンドの準備は整う。運用開始に向けて、ネットワークが堅固であることを証明できる」(ミンク氏)
成功者はまだゼロ
エルロンドの15日のカウントダウンは、誰かがネットワークをダウンさせることに成功すればリセットされる。今のところ、成功者はいない。
キャンペーン開始から、エルロンドは3件の攻撃を阻止した。とはいえ、修正が必要な多くの低レベルなバグが見つかっており、キャンペーンは成果をあげているようだ。
「検証者たちからは改善点が毎日のように届く」とミンク氏。戦いに参加している1700のノード運営者が見つけ出してくるバグを修正し、「毎日、1〜2件の修正リリースを行っている」。
ミンク氏は、単にお金とバグだけの取り組みではないと話す。メインネットの検証者(バリデーター)の座をめぐる競争でもあるという。
エルロンドの1500の初期ノードの一部は、バグの発見に貢献した「信頼できる」人たちに与えられる。
1週間にも満たない告知期間で今回の取り組みを発表した時、ミンクCEOは参加者は700〜800と予測していた。結果的には約1700人が参加している。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:ルーマニア・ブカレストの街並み(Shutterstock)
原文:Elrond Will Pay You $60,000 to Break Its Blockchain