ビットコインのマイニング(採掘)における難易度は協定世界時6月16日17:00頃、14.95%上昇し「15.78T」に調整された。
- ビットコインが最高値を記録した後の2018年1月以来の水準で、史上4番目に高い難易度。
- 2020年5月の半減期後、難易度は2回連続で下落していた。
- 半減期後、当初は非効率なハードウエア、高価な電力料金で運営しているマイナーが操業停止に追い込まれた。
- しかし難易度の低下によって、再び利益を生み出しやすい環境になっていた。中国の大手マイニング装置メーカーは5月以降、最新鋭のマイニング装置を出荷している。
- ビットコインネットワークの演算能力を示すハッシュレートは、今月初めの98エクサハッシュ/秒(EH/秒)から今では113EH/秒付近まで上昇していた。
- ブロックの生成間隔が平均10分になるよう、2016ブロックまたは14日ごとにマイニングの難易度が調整される。
今後もさらに上昇か?
マイニング難易度の上昇は、一部のマイナーにとっては厳しい状況をもたらす。
- 今回の難易度「15.78T」は、半減期直前に見られた高い水準だが、一方で1日あたりのマイニング報酬は半減期によって、1800BTCから900BTCになった。
- 「既存の旧世代のマイニング装置の多くでは利益が出ない。新世代の高効率装置が主流となるだろう」マイニングプールLUXORの共同創設者兼CFO、イーサン・ベラ(Ethan Vera)氏
- ニューヨーク州の天然ガス発電所でマイニングを行うグリーニッジ・ジェネレーション(Greenidge Generation)のケビン・チャン(Kevin Zhang)氏も同様の見解で、同社の戦略は最新鋭の装置を調達し、稼働させることで競争力を維持することと語る。
- ビットメイン(Bitmain)のAntMiner S19のような最新機種は、旧機種の約10倍の演算能力を誇るが、消費電力はわずか2倍。
- 暗号資産デリバティブ取引所のFTXは5月、ビットコインマイニング難易度の四半期先物取引を開始。現在、2020年第3四半期と第4四半期の先物は18ドル前後で取引されている。
- これは2020年下半期にマイニング難易度はさらに20%上昇する可能性があることを示している。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Greenidge Generation
原文:Bitcoin Mining Difficulty Makes Biggest Jump in 29 Months