カナダ銀行(Bank of Canada)が、同国の中央銀行デジタル通貨におけるプロジェクトマネージャーの募集を開始した。
カナダ銀行が6月11日に公開した求人情報によると、「中央銀行の業務を最発明して、カナダにおける現金というものを根本的に見直す」ことが、同ポジションのミッションだという。カナダ銀行は現在、CBDCに関するシステム設計を進めるためのプログラムに着手している。
カナダのCBDCはユーザーのプライバシーを保護し(ただし、現金ほど厳重ではない)、銀行口座や携帯電話を持たない人も利用でき、停電時にも機能し、安全性は紙幣に匹敵するものでなければならない。加えて、現金に慣れた人たちからの信頼を得る必要がある。(同求人ページ)
CBDCのパイロットシステムを3年以内に
さらに、政策目標と連動して「数十年の進化の可能性に対応できる」アーキテクチャー上での構築が求められている。技術に関する詳細は記されていない。技術詳細は同ポジションの3年の在任期間中に明確にされ、「CBDCのパイロットシステム」を同期間中に構築する方針だ。
現在、他の多くの国がCBDC発行の検討を始めている。中国はまもなくCBDCを発行すると言われている。
現時点で、カナダ銀行はCBDCの発行に関する具体的な計画を定かにしていない。同行副総裁は2月、フェイスブックが主導するデジタル通貨「リブラ(Libra)」のような民間のデジタル通貨が成功しない限り、CBDCを発行する「差し迫った必要性」はないと述べている。
「カナダ銀行は不測の事態に備えて危機管理計画の策定を強化している。現時点で、CBDCを発行する説得力のある理由は存在しない」とカナダ銀行・広報担当者はCoinDeskの取材で述べた。
新型コロナウイルスの感染拡大により、店頭での現金使用は減少した可能性はあるが、紙幣の需要に大きな変化はないとしている。
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Bank of Canada/Flickr Creative Commons
原文:Canada’s Central Bank Is Serious About Designing a CBDC, Job Posting Reveals