ビットコイン、価格変動は7月以降に活発か:オプション市場データが示唆

ビットコイン(BTC)は他のデジタル資産を取引するための基準通貨として使われるだけでなく、その大半がイーサリアムブロックチェーンを基盤とするアルトコイン(altcoin)に比べて、市場操作や急激な価格変動に対する脆弱性は小さい。

  • オプション市場のデータによると、ビットコイン価格は第3四半期(7〜9月)に変化する可能性がある。
  • 暗号資産デリバティブリサーチ企業スキュー(Skew)によると、イーサリアム(ETH)とBTCの3カ月アット・ザ・マネー・インプライド・ボラティリティのスプレッド(差)は6月28日にマイナス2.4%となり、過去最低水準に縮小。
出典:Skew
  • 「マイナスのスプレッドは、オプション市場が今後3カ月、ビットコインはイーサリアムよりもボラティリティが高くなると予想していることを示している」(スキューのエマニュエル・ゴーCEO)
  • スプレッドは2020年2月、33%という記録的な高水準を記録。以来、減少傾向にある。

インプライド・ボラティリティは、特定の期間にどれくらいのリスクがあるか、変動するかについての投資家の見込みを示すもので、オプションと原資産の価格などを使って計算する。つまりは不確実性を定量化する方法だ。

  • 「市場が現在、イーサリアムよりもビットコインの価格ボラティリティが高くなると考えているという事実は、この1カ月のイーサリアムベースのDeFi(分散型金融)への注目度を考えると驚くべきこと」(ゴーCEO)
  • データプロバイダーDeFiPulseによると、DeFiアプリケーションにロックされたイーサリアムは、6月16日の250万9000から6月29日には380万7000件となり、13日間で20%以上の増加。
  • 特にレンディング(融資)サービスCompoundのトークン「COMP」の取引が6月18日に開始されたことで勢いを増した。COMPは3日間で500%上昇し、DeFi分野に熱狂を生んだ。
  • この熱狂がイーサリアムの持続的な上昇につながるのか、それとも下落に向かうのか、市場の意見は分かれている。
  • 「DeFiはイーサリアムの時価総額を1兆ドルに押し上げるだろう」(Blocktown Capitalのマネージングパートナー、ジョセフ・トダロ氏)

一方、BlockTowerのCIO、アリ・ポール氏は6月21日、こうしたトークンがDeFi分野のバブルを生む可能性についてツイートした。

  • 5月の半減期後、ビットコインに大きな話題がなかったことから、イーサリアムに対して高いボラティリティが期待されている可能性がある。
  • だがオプション市場は逆を示しており、ビットコインがより高いボラティリティを示す可能性がある。
  • ビットコインは約2カ月間、9000ドル〜1万ドルの狭いレンジで取引。長期間、低いボラティリティが続いた後、ボラティリティはしばしば大きく上昇する。

結局のところ、イーサリアムや他のアルトコインはほとんどの場合、ビットコインのボラティリティ上昇の影響を受ける。

ビットコインが大きな動きを見せれば、イーサリアムもボラティリティが上昇し、DeFiに大きな影響を与える可能性がある。

つまり、当初はビットコインのボラティリティが大幅に上昇するが、最終的にはイーサリアムのボラティリティがビットコインを超えるだろう。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Skew
原文:Bitcoin Facing Greater Price Volatility Than Ether in Q3, Options Market Data Suggests