ビットコインはその誕生以来、「デジタルゴールド」と呼ばれている。だがゴールドは株式市場が低迷している時に上昇するという強い実績を持っているが、ビットコインはまだ、安全資産として同じような評判を獲得できていない。
- この数カ月、ビットコインはS&P500株価指数との相関関係を強めてきた。
- 暗号資産デリバティブリサーチ企業スキュー(Skew)によると、ビットコインとS&P500の1カ月の相関相関は6月30日に過去最高レベルの66.2%に上昇。
- 「ビットコインとS&P500の相関関係は市場の動きを示す非常に優れた指標だが、実際には一貫したポジションを維持することはない。ビットコインはレバレッジの効いた動きになりがちで、大きく、劇的な価格変動で市場の動きを追う」フィンテック企業Interlapse TechnologiesのCEOウェイン・チェン(Wayne Chen)氏
- 6月30日に記録的な数字となる前の12カ月間、相関関係はマイナス30%〜50%の範囲で大きく上下。ビットコインとS&P500は逆の相関関係を示しているように見えた。
- スキューによると、1年間の相関関係も37%を超える過去最高レベルまで上昇。だが、30%〜50%の数字は相関関係が比較的弱いことを意味している。
- 「誰が見てもビットコインは依然としてリスク資産。ゴールドとの基本的な類似性をアピールする人はいるが、市場がリスクオフ心理の時に十分なヘッジや安全資産として機能することはまだ証明されていない」インデックスファンドStackの共同創業者マシュー・ディッブ(Matthew Dibb)氏
- だが、リスク資産として扱われることは、ビットコインにとっては不幸中の幸いかもしれない。
- 「ビットコインと株式の相関関係が依然として非常に高いことを考えると、世界の株式市場は前例のない金融刺激策の恩恵を受けているため、短期的にはビットコイン価格は強気の動きになると予想している」ディップ氏
強まる長期保有
ビットコインが安全資産としてのポジション確立に苦戦している一方で、一部の投資家は落ち着いている。
- 「ホドラー(HODLer)」、いわゆる長期保有者(少なくとも12カ月間ビットコインを保有しているアドレス数)は6月、過去最高の2030万人となった。ブロックチェーン情報企業IntoTheBlockが5月に発表した1952万人を上回った。
- 「半減期を終えたばかりで、多くの保有者はビットコイン価格は上昇すると考えており、長期保有の動きを強めている」チェン氏
- 長期保有者のアドレス数は12カ月連続で過去最高を更新。特筆すべきは、ビットコイン価格は過去12カ月間に25%下落しているにもかかわらず、長期保有者のアドレス数は前年比22%増となっていること。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Skew
原文:Bitcoin’s Price Correlation With S&P 500 Hits Record Highs