暗号資産「イーサリアム(ETH)」の送信や受信がアクティブに働くアドレスの数が、2年ぶりの高水準に達した。ブロックチェーン分析企業グラズノード(Glassnode)のデータで分かった。
アクティブなイーサリアム(ETH)アドレスの数は7月3日、7日移動平均で40万5014に増え、2018年5月以来の高い水準。アクティブアドレスとは、送信者あるいは受信者としてネットワーク内でアクティブに作動するアドレス。
- 6日には39万162に減ったが、1月30日に記録した低水準18万750の2倍以上。
- DeFi(分散型金融)プラットフォームの事業拡大、米ドルに連動するステーブルコイン・テザー(USDT)の取引高が関連している模様。
- 情報サイトdefipulse.comによると、記事執筆時点で約310万イーサリアムがさまざまなDeFiアプリケーションに預け入れられている。
- CoinMetricsによると、テザーの取引高は今年400%以上増加。
イーサとビットコインとの相関性
イーサリアムの新たなユースケースの登場で、同暗号資産のさらなる価格上昇を期待する市場関係者が増えている。
- 暗号資産デリバティブ調査企業スキュー(Skew)によると、イーサリアムとビットコインの1年間の相関関係は89%に上昇、過去最高となった。
- 1ユーザーが複数アドレスを所有できるため、アドレス数は信頼できないという考えも聞こえる。
- 一方、イーサリアムのアクティブアドレスはビットコインよりも信頼性が高いとも言われる。
- 「ビットコインではアクティブアドレスがUTXOモデルのため、その数は膨らんでいる」とイーサリアムコミュニティが設立したEthHubの共同創業者アンソニー・ササーノ(Anthony Sassano)氏はツイート。
- UTXOとは取引後に残ったビットコインのこと。UTXOモデルでは、ビットコインユーザーはトランザクションごとに新しいアドレスを作ることになる。一方、イーサリアムは別のモデルを採用しており、アドレスが同様に増えることはない。
- ブルームバーグのアナリストによると、ビットコインの1日あたりのアクティブアドレス数は最近、2017年12月以来の高水準となり、1万2000ドルへの価格上昇を視野に入れている。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:TradingView
原文:Ethereum Activity Metric Hits Highest Level in 2 Years