DeFi(分散型金融)市場の拡大で、約6000万ドル(約64億円)相当のビットコインが6月にイーサリアムブロックチェーンに移動した。デューン・アナリティクス(Dune Analytics)のデータで分かった。
Wrapped Bitcoin(WBTC、ビットコインに裏付けられたERC-20トークン)がその増加の約75%を占め、4800BTC以上がイーサリアムに流入した。
- 各種のDeFi(分散型金融)サービスを通じてビットコインを利用する需要が高まり、イーサリアムブロックチェーンはビットコインにとってチェーン外で最も人気の手段となっている。
- 具体的には、イールドファーミングやメーカーダオ(MakerDAO)がトークン化されたビットコインを担保として受け入れており、その大きな要因となっている:ドイツ銀行の元アソシエイトで暗号資産調査企業デルファイ・デジタル(Delphi Digital)の共同創業者メディオ・デマルコ(Medio Demarco)氏。
- 「このトレンドはおそらく継続するだろう」デマルコ氏
イールドファーミング:保有する暗号資産をDeFiサービスに投資してリターンを得ること。一般的な市場よりも高いリターンが期待できるが、リスクもある。
トークン化されたビットコインの人気の高まりは、WBTCの開発に携わった暗号資産決済企業BitGoのCTO、ベン・チャン(Ben Chan)氏にとっても驚くことではない。
「WBTCの目的はビットコインをDeFi(分散型金融)の世界に持ち込むこと」。イーサリアムベースのアプリケーションにおける「WBTCの融資と供給による利回り獲得の機会」が成長の原動力だとチャン氏は述べた。
- 情報サイトOnChainFXによると、現在1億3200万ドル相当のビットコインがイーサリアムブロックチェーン上にあり、記事執筆時点でビットコインの時価総額の約0.08%を占めている。
- デマルコ氏によると、この傾向はビットコイン、イーサリアムの双方に「相乗効果」をもたらす。
- チャン氏もイーサリアムにとってDeFi(分散型金融)アプリケーションにおける資産価値の増加は「透明性の高い金融サービスの成熟化に向けた一歩」とCoinDeskに語る。
- ビットコインにとってもメリットがあり、ユーザーがビットコインに投資する「インセンティブを強める」とチャン氏は述べた。
- またイーサリアムブロックチェーンでビットコインを使用することは「両ネットワークに潜在的な強気心理」をもたらすと付け加えた。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Dune Analytics, OnChainFX, CoinDesk Research
原文:Nearly $60M in Bitcoin Moved to Ethereum in June