ビットコインは狭い価格レンジ取引が続いているが、一部のオプショントレーダーの間では、ボラティリティ(価格変動)指標の上昇を背景に価格上昇の期待が広がっている。
・リアライズドボラティリティ(RV、realized volatility:過去データをもとに算出される指標)は10日現在で20%、2年間で最低の水準。これは「2018年(9月と10月)に見られた低水準」(シンガポールに拠点を置くQCP Capital)
・2018年の秋、低ボラティリティは6000ドルを下回る大幅下落となった。しかし今回、オプショントレーダーは価格上昇を期待している。
・「先週、1カ月インプライドボラティリティ(IV、Implied Volatility:市場で取引されているオプション価格から将来の価格変動を予想した指標)は上昇、リアライズドボラティリティとの間で顕著なかい離が生じたことで、オプショントレーダーは市場の小康状態に終止符を打つ同じ動きを期待している」(QCPキャピタル)
・ビットコインの1カ月インプライドボラティリティは、暗号資産デリバティブ調査企業スキュー(Skew)のデータによると、過去6日間で46%から55%に上昇。
・一方、1カ月リアライズボラティリティは78%から35%に低下。
・この2つの指標の乖離は、トレーダーが今後1カ月間にボラティリティの低い取引環境からボラティリティの高い取引環境に変化すると考えていることを示している。
・インプライドボラティリティの上昇は主にオプション取引における買い圧力に牽引されている。
・1カ月、3カ月、6カ月のプット・コール・スキューがマイナス値を示していることからも明らか。プット・コール・スキューはコール(買う権利)に対するプット(売る権利)の強さを表したもの。
・1カ月スキューは今週、11%からマイナス5.4%に急落。マイナスの値はコールオプション(価格上昇を予想)がプットオプション(価格下落を予想)よりも多いことを示している。つまり、オプショントレーダーは現在、強気心理に傾いている。
・数週間続いている9000ドル〜1万ドルの狭いレンジでの取引が、トレーダーの期待どおり価格上昇で終わるか否かはわからない。
・テクニカル分析は上昇シナリオを裏付けている。またトレンドの変化と強さを表すMACDヒストグラムはゼロを超え、強気の勢いを示している。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Skew
原文:Bitcoin Option Traders Bet on Bullish Move Following Volatility Squeeze