この1週間に起きた暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン分野のニュースを振り返ろう(日時は現地時間)。
7月13日(月)──ブロックチェーンの決済システム、シンガポールが実用化へ
シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局MASと、政府系投資会社テマセク(Temasek)が7月13日、ブロックチェーン技術とデジタル通貨を用いた決済プラットフォームの試験運用を成功させ、報告書にまとめた。MAS(Monetary Authority of Singapore)とテマセクは、 「次の挑戦は現実世界の課題を解決するための商業ソリューションを実際に実装することになる」と報告書で述べている。
7月13日(月)──コインチェックが「BAT」取り扱いへ
暗号資産取引所のコインチェックが7月13日、ベーシック・アテンション・トークン(BAT)の取り扱いを7月21日から始めることを明らかにした。コインチェックが取り扱う暗号資産は国内取最多の13銘柄となるという。BATは既に、ビットフライヤーやGMOコインが販売所で取り扱っている。
7月14日(火)──三菱UFJがデジタル通貨「コイン」実用化へ
三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)のデジタル通貨「coin(コイン)」が、2020年度内にも実用化されることが分かった。7月14日までに朝日新聞や毎日新聞など大手報道機関のインタビューで、亀沢宏規社長が明らかにしたもの。報道では時期について、「今年度後半にも」とされている。
7月14日(火)──統一規格「JPQR」全国スタート
総務省が7月14日、複数の企業のQRコード決済を利用できる統一規格「JPQR」の全国展開を始めるにあたって、その普及を推進するため、吉本興業所属のお笑いコンビ「銀シャリ」を広報大臣に任命するイベントを開催した。JPQRはこれまで地域限定で導入されていたが、2020年7月から全国展開が始まった。ただ、参加している決済事業者の間で「加盟店手数料」の負担率の足並みが揃っていないなどが普及の上での課題と考えられる。
7月14日(火)──/英中銀がCBDC導入を検討
イギリスの中央銀行がデジタル通貨導入の可能性を議論しているとブルームバーグが7月14日に報じた。報道によると、イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は、13日に開かれたオンラインイベントで同行がデジタル通貨の発行を検討していると語った。ベイリー総裁はまた、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の影響を調査しているとした上で、新型コロナウイルス感染拡大が終息すれば、数年以内には現実のものとなる可能性があると予測した。
7月14日(火)──電子書籍をNFTに Gaudiyなどが実証実験
ブロックチェーン技術を活用したコミュニティサービス・プロダクトの共創プラットフォームを開発しているGaudiyと、セプテーニ・ホールディングス子会社でマンガアプリ「GANMA!(ガンマ)」を手がけるコミックスマートが7月14日、業務提携したことを発表した。電子書籍をNFT(ノンファンジブル・トークン)として発行するなどブロックチェーンと暗号技術を利用、ユーザーが電子書籍データを“所有できる”事業の実証実験の今夏行う。
7月15日(水)──Twitterで大規模乗っ取り
7月15日(米東部時間)に発生したTwitterアカウントの大規模乗っ取り騒動で、被害を受けたとされるアカウントは20を超えた。その中にはオバマ前米国大統領、ジョー・バイデン前米国副大統領ら政治家、イーロン・マスク氏(テスラCEO)、ジャオ・チャンポン氏(バイナンスCEO)、ジェフ・ベゾス氏(アマゾンCEO)ら実業家、さらには投資家のウォーレン・バフェット氏らも含まれていた。個人だけではなく、取引所のバイナンス、コインベースや、Uberなどの企業アカウントも同様の被害を受けている。
7月15日(水)──ロシアのブロックチェーン企業がマイクロソフトとパートナーシップ
ロシアのブロックチェーン企業ウェーブズ・エンタープライズが7月15日、マイクロソフト・ロシアと5年間の戦略的パートナーシップを結び、法人向けのサービスを共同で開発すると発表した。昨年7月に設立されたウェーブズ・エンタープライズは、プライベートブロックチェーンを使った法人向けサービスを提供している。両社はブロックチェーンを新たなサプライチェーンソリューションに活用するとともに、重機から事務機器まであらゆる産業資産のトークン化を進める。
文・編集:濱田 優
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