ビットコインが11カ月ぶりの高値を記録したことを受け、一部の投資家からはビットコインが買われ過ぎており、大幅な価格下落を招くのではないかとの見方が聞かれる。
一方、アナリストはその考えは過剰反応だと述べている。
ビットコインの価格は7月27日に1万1319ドルまで上昇し、2019年8月以来の高値を記録。この急激な価格上昇によって、14日RSI(relative strength index:相対力指数)は80.00を超えた。
RSIは70.00を超えると買われ過ぎと見なされ、強気ムードが行き過ぎていることを示す。
ロンドンにあるEterna Capitalのアシム・アーマド(Asim Ahmad)氏は、RSIが70を超えても、必ずしも大幅な価格下落を意味しているわけではないと述べる。
70超のRSIは、強気の動きが行き過ぎており、価格の持ち合い、あるいは最悪の場合は小幅な調整が起こる可能性があることを示していると同氏は述べた。
Stack fundsのレナード・ネオ(Lennard Neo)氏は、強気トレンドが続く市場ではRSIは長期間にわたって高水準を保つ可能性があると述べ、他の指標は強い買いモメンタムを示していると付け加えた。
RSIは価格の動きと同調しており、以前の強気市場の間も上昇したままだった。
しばらくは小幅な値動きか
ビットコインは2019年第2四半期に160%上昇(左上)、その間、RSIは何度か70.00超の高い水準となっていた。
同様のパターンは、2017年の強気相場の間にも見られた(右上)。
2020年夏、RSIが示す買われ過ぎ傾向は、しばらくの間、ビットコインは1万1000ドル付近で小幅な値動きとなる可能性を示している。抵抗線は1万500ドル付近となっている。
ブロックチェーン上の金融サービスであるDeFi(分散型金融)や伝統的な市場から、ビットコインへの資金流入は、ビットコインにモメンタム(勢い)を与えるだろうとネオ氏は述べた。
FRB(連邦準備制度理事会)が緩和政策を続けると、ビットコイン価格は短期的にはすぐに1万2000ドルに向けて上昇する可能性がある。そうなれば米ドルは再び売られ、ゴールド価格は2000ドルを超える可能性がある。
だがLMAX Digitalのジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は、ビットコインは3月の暴落の際に見られたように、株式市場の下落の影響を受ける可能性が依然として高いと述べた。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:TradingView
原文:Bitcoin Looks Overbought but Analysts Play Down Drop Fears