2020年4月に戦略的資本・業務提携をすることで合意していた三井住友フィナンシャルグループとSBIホールディングスは7月30日、三井住友銀行と、SBI証券・SBIネオモバイル証券の間での提携内容が具体化したと発表。SBIネオモバイル証券が三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)に対し第三者割当により株式を発行、SMFGがSBIネオモバイル証券の20%の株式を保有する。また相互に商品・サービスを提供しあう考えで、SBIネオモバイル証券の「ネオモバ」を三井住友銀行の顧客に紹介したり、同証券の顧客に三井住友銀行のファイナンス商品を紹介し、若年層を中心に日常生活で発生する借入ニーズに対応したりする。
個人の借り入れニーズに応える
SMFGと三井住友銀行、SBI HDとSBI証券は2020年4月28日、戦略的資本・業務提携に関して基本合意書を締結。具体的な提携内容を議論してきた。
4月の時点で資本提携については公表されていた(SMFGがSBIネオモバイル証券の20%の株式を保有する)が、今回の発表では、SBIネオモバイル証券と三井住友銀行の業務提携についても明らかにされた。
具体的には、SBIネオモバイル証券と三井住友銀行が両社の金融商品・サービスの相互紹介を開始する。
たとえばSBIネオモバイル証券の顧客に対しては、外貨預金など幅広い資産形成ニーズに対応できる商品を三井住友銀行が案内する。逆に、三井住友銀行の顧客に対しては、Tポイントを使って国内株式取引などができるSBIネオモバイル証券の「ネオモバ」を紹介する。
またSBIネオモバイル証券の顧客に対して、三井住友銀行のファイナンス商品を紹介。若年層の日常生活で発生する借入ニーズに対応するという。
また、三井住友銀行とSBIネオモバイル証券の間の資金移動についても、相互に即時入出金ができるようにするほか、両社の口座開設をスムーズに行うための情報連携や、両社のアプリ内での残高照会・自動振替などシームレスな口座連携も実施したい考えだ。
三井住友銀行とSBI証券が「相続ビジネス」で連携
同時に、三井住友銀行とSBI証券の間でも提携が進められるといい、両社は相続ビジネスで連携する。
具体的には、SBI証券の顧客に三井住友銀行の相続関連サービスを紹介。三井住友銀行の店頭などで相続に関する相談できるようにする。両社間の入出金機能の強化も検討し、円滑な資産承継をサポートするという。
SMFGとSBI、強まる連携
今回発表された連携だけでなく、SMFGとSBIの両グループは連携を強めている。SBI証券と三井住友カードが7月28日、個人向け資産運用サービスについて、業務提携に合意したことを発表したばかりだ。三井住友カードはSMFG傘下で、クレジットカード事業などを行なっている。
その内容は、三井住友カード経由でSBI証券総合口座を開設した顧客に対し、一般の顧客が受けられるサービス以外に、(1) 投信積立で三井住友カードのクレカ決済が使えるようにする(決済金額の0.5%分のVポイントを付与)、(2) 三井住友カードアプリ上でのSBI証券総合口座情報の表示、(3) Vポイント1ポイント=1円として、SBI証券の投資信託の買付ができる「Vポイント投資」、(4) 投資信託保有残高に応じてVポイントを付与する──というもの。サービスの提供は2021年2月以降の予定だ。
文・編集:濱田 優
画像:各社Webサイトより