バイナンスのトークン、米SECが調査を検討か

米証券取引委員会(SEC)が、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が発行するバイナンスコイン(BNB)などのトークンの調査を行う可能性がある。

SECは7月29日に発表した文書で、ブロックチェーンセキュリティ大手サイファートレース(CipherTrace)と契約を結ぶ意向を発表。バイナンスのブロックチェーン「バイナンスチェーン」を調査できる唯一の会社というのがその理由だ。

「サイファートレースの製品は、バイナンスコインとバイナンスネットワーク上のすべてのトークンをカバーできる、現状では唯一のブロックチェーン調査ツール」とSECは契約について述べた。

調査はバイナンスの提携企業サイファートレースが担当

サイファートレースは2019年11月、バイナンスと提携。バイナンスコイン(時価総額は約30億ドル)と、他に190あまりのトークンを発行するバイナンスチェーンに、アンチマネーロンダリングのための追跡ツールを導入した。

サイファートレースのデイブ・ジェバンス(Dave Jevans)CEOはこの時のプレスリリースで、規制当局は「より優れた透明性を求めている」と述べ、バイナンスチェーンに規制当局が調査の目を向ける可能性に触れていた。

一方、バイナンスのチーフコンプライアンスオフィサー、サミュエル・リム(Samuel Lim)氏は、このパートナーシップによってバイナンスは「世界的な規制基準に沿ったものになった」と述べた。

米CoinDeskはこの件について、サイファートレース、バイナンス、およびSECにコメントを求めたが、まだ返答はない。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(提供:Binance)
原文:SEC Wants to Start Scrutinizing Binance Chain Transactions