イングランド銀行は7月30日、1億5000万ポンド(約200億円)にのぼる新しい即時グロス決済(RTGS)の設計で、アクセンチュアを選定したと発表した。
米CoinDeskが確認したところによると、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行が刷新するRTGS(イギリスの金融機関が使用する決済ネットワーク)は、未来の中央銀行デジタル通貨(CBDC)、例えばデジタルポンドとの互換性を確保したものになるようだ。
新しいRTGSは、同行がCBDCの発行を決定した際には、デジタル通貨の取引機能を「追加搭載」できるよう設計される。
デジタルポンドのようなCBDCのみならず、他の将来的な機能に対応できる設計も検討されているという。
2022年稼働予定
RTGSはイギリスの金融インフラにおける重要な要素であり、各金融機関が口座を持ち、イングランド銀行が経済に流動性を注入するための主要チャンネル。RTGSは平均して毎営業日ごとに6850億ポンド(約94兆円)以上の決済を行っている。
アクセンチュアは、新しいRTGSがより多くの企業へのアクセスのみならず、広い相互運用性と機能性を提供することで、変化する金融システムに適応していくと声明で述べた。新しいRTGSは2022年に稼働する予定だ。
7月はじめ、イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー(Andrew Bailey)総裁は、同行はCBDCの発行について検討を続けていると述べた。
同行はこれまでにも、民間企業がCBDCの発行において大きな役割を担うことに関して、同行による設計と政策原則に従う限り、前向きに考えていると述べている。
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Shutterstock
原文:Bank of England Building Payments Network to Support a Potential Digital Pound