ビットメインの社内抗争が深刻──納期は3カ月遅れ

暗号資産(仮想通貨)のマイニング機器メーカー、ビットメイン(Bitmain)の社内抗争が深刻化してきている。事業や顧客企業への影響が表面化してきた。

ビットメインは8月6日、同社の「AntMiner」ブランドの公式ウィーチャット(WeChat)アカウントを通じて、6月と7月に予定していた納品期日を9月と10月に延期すると発表した。

納期の遅延は「外部から(ビットメインの)マネジメントに対する干渉」が原因とウィーチャットで述べるが、詳細については明らかにしていない。

ビットコインのマイニング機器は通常、2~3カ月前に予約注文を受け販売される。つまり、6月と7月の出荷予定分は、早ければ3月と4月に注文を受けた可能性が高い。

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2人の共同創業者が対立

ビットメインの2人の共同創業者、ジーハン・ウー(Jihan Wu)氏とミクリー・ザン・ケチュアン(Micree Zhan Ketuan)氏による対立はこれまで幾度となく報じられてきた。対立は社内抗争へと発展している。

現在、AntMinerブランドの公式ウィーチャットアカウントは、ウー氏を支持する社内グループが管理している。

ザン氏は2019年10月にウー氏に解任されたが、2020年6月に北京オフィスに復帰。それ以降、深センにある工場を管理している。

一方、ウー氏は北京ビットメインの親会社(香港)を介して、マイニング・チップのサプライチェーンを管理しており、ザン氏側は簡単に製品を出荷することができないという。

顧客に2つの選択肢

ビットメインは現在、納期が遅延している顧客に2つの選択肢を提示している。

1つ目は、顧客は納期を早めるようビットメインに書面で要請する。その通知を受けた後60日が経過しても機器が納品されない場合、顧客は代金の返金を要求することができる。

2つ目は、顧客は引き続き納品を待つ。ただし、現時点から納期までに想定されるマイニング収益は、将来の購入に使えるクーポンというかたちでビットメインが補償するという。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:ビットメインのマイニング機器(CoinDesk archive)
原文:Bitmain Delays Bitcoin Miner Shipments by Three Months as Co-Founders Battle On