暗号資産ファンドのパンテラ、運用額が倍増──機関投資家の意欲強まる

ブロックチェーンやデジタル通貨、暗号資産業界に投資ターゲットを置く米パンテラ・キャピタルが、運用する投資ファンドの資産額を伸ばしている。過去2年にわたる機関投資家の投資意欲の強まりが一因した。

同社が運用するパンテラ・ベンチャー・ファンドIII(Pantera Venture Fund III)は、200人弱の投資家から1億6470万ドル(約175億円)の資金を集めた。14日にSEC(米証券取引委員会)に提出した書類で分かった。

この資金規模は、2019年に提出された書類に記載された額から6000万ドル(約64億円)近く増え、過去2年間で9300万ドル(約99億円)以上増加した。

パンテラが提出した書類「フォームD」は、適格投資家に対する販売のSECへの登録を免除するもの。資産運用会社のニューヨーク・デジタル・インベストメンツ・グループ(NYDIG:New York Digital Investments Group)は、2020年に立ち上げた3つの暗号資産(仮想通貨)ファンドでこの免除の適用を受けている。

パンテラの申請は前年と同様に今年も、「3条(c)項目(7)」の適用除外を求めている。これは、より高いレベルの資格を持つ購入者、つまり最低500万ドル(約5億3000万円)以上の資産を持つ投資家を対象とすることを意味する。

パンテラは当初、ベンチャー・ファンドIIIで1億7500万ドルの調達を目指しており、2019年3月には1億6000万ドルを越えたと発表していた。同社がメディウム(Medium)に投稿した記事によると、同社は主にデジタル資産分野のインフラ、金融、取引所に投資していた。

そうした最初の投資の一つが、機関投資家向けデリバティブ取引所のバックト(Bakkt)だった。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:パンテラ・キャピタルのパートナー、ポール・ベラディッタキット氏
原文:Pantera Tells SEC Its Crypto Fund Has Raised Nearly $165M