中国南西部に位置する四川省は先週から激しい大雨に見舞われ、大手マイニングプールの操業に影響を与えている。四川省はビットコインネットワークの全計算能力の50%以上を抱えていると言われている。
大雨による増水を放流するために水力発電所は発電を停止し、一部では停電が発生している。通信やインターネットの障害が発生している地域もあるとマイニングプール、PoolInの共同創業者兼CEOのケビン・パン(Kevin Pan)氏は述べた。
大雨による停電で同地域のビットコインマイニングプールは、ネットワークから切り離されてしまっている。大雨は今も続き、いつ状況が改善するかはわからない。
BTC.comのデータによると、世界4大ビットコインマイニングプールで、いずれも中国に拠点を置くPoolIn、F2Pool、BTC.com、Antpoolではハッシュレートが24時間で10〜20%低下した。これら4つのマイニングプールの計算能力は、ビットコインネットワーク全体の約50%を占める。
6日間で8月の降水量を超える
パン氏は、ネットワークからの離脱を余儀なくされていることに加え、一部のファームは事前に操業を停止し、安全対策として施設で働くスタッフを避難させたと8月18日、ウェイボー(Weibo)に投稿した。
新華社通信によると、四川省で最も被害の大きい12都市における8月10日〜15日の降水量は、8月の平均月間降水量を超えた。
さらに、マイニング施設のほとんどが拠点を置く四川省の山岳地帯につながる高速道路は、深刻な洪水と土砂崩れのために閉鎖されている。
ビットコインのハッシュレートの3日間平均は約123、1日平均は110エクサハッシュ/秒(EH/s)となり、過去最高の7日間平均の127EH/sからそれぞれ3%、13%低下している。
中国の雨期は毎年、大量の雨をもたらし、特に四川省や雲南省を含む南西部では過剰なほどの水力発電量となる。そうした余剰電力が、ビットコインマイナーを引きつける安価な電力料金となっている。
しかしこれまでにも、予測不能な天気が洪水や土砂崩れを引き起こし、ビットコインマイニング施設が運用を一時停止したり、完全に破壊されることもあった。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:大雨が続く中国・四川省。写真は2019年(Shutterstocck)
原文:Top Bitcoin Mining Pools See 15% Hashrate Drop Amid Continuous Rainstorms in China