仮想通貨スタートアップ、トラストトークン(TrustToken)は、同社2つ目のステーブルコインを発行した。同コインは、イギリスの法定通貨、ポンドに1対1で連動している。
2019年4月2日、トラストトークンは、同社の新しいステーブルコイン「トゥルーGBP(TrueGBP)」がアラメダ・リサーチ(Alameda Research)、ブルーファイア・キャピタル(Bluefire Capital)、ガロア・キャピタル(Galois Capital)、そしてQCPキャピタルなどのOTC(店頭)デスクで取引可能になったことをCoindeskに明かした。
トゥルーGBPは商品コード「TGBP」で取引される予定で、初めのうちはエスクロー(第三者預託)口座に保管されているポンド建て資金によって裏付けされるとトラストトークンは述べている。
同社の共同創業者で、エンジニアリング・製品部門のトップであるラファエル・コズマン(Rafael Cosman)氏は以下のようにCoinDeskに語った。
「トゥルーGBPの購入、および取引は他のERC-20トークンと同じように利用でき、全てのERC-20ウォレットと互換性があります。トラストトークンのアプリを利用して、同コインの購入、もしくは現金化をする場合、顧客は、弊社のマネーサービス事業(MSB)ライセンスに準拠した、一般的な本人確認(KYC)およびアンチマネーロンダリング(AML)要件を満たしている必要があります」
トラストトークンはすでに、ドルに連動したステーブルコイン「トゥルーUSD(TrueUSD)」を2018年3月に発行している。その当時同社は、円やユーロやその他の法定通貨に連動したステーブルコインも今後発行して行く予定だと語っていた。
同社は2日にも同様の意向を示し、「決済、国際送金、外国為替への新たな機会を切り開くために、来たる数カ月の間に」いくつかステーブルコインを発行していく予定で、TureGBPはその第一陣だと述べている。
コズマン氏は以下のように語っている。
「我々は、トゥルーUSDによってって、1つの取引所に縛られることのない、法定通貨と仮想通貨の架け橋を作ることに成功しました。我々がトゥルーGBPを発行する目的は、この架け橋を最大限に活用することで、世界金融市場内に存在する摩擦を減らし、国境を越えた価値の移転をシームレスにスピードアップし、コストダウンすることです」
トゥルーGBPトークンは、トゥルーUSDと同様の技術的および法的基準をベースとしていると同氏は付け加えている。
トラストトークンが当初トゥルーUSDを監督する目的で設立したLLC(合同会社)、トゥルーコイン(TrueCoin)は、金融犯罪捜査網(FinCEN))に登録されているMSB。発表によると、同社は、今回「トゥルーGBPを裏付けているポンドを管理するために、州の認可取得済みの独立した信託企業」と提携を結んでいる。
昨年6月、トラストトークンは、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)などのベンチャーキャピタルの支援のもと、戦略的なトークンセールを通して、2000万ドル(約22億2000万円)の資金調達に成功している。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Pound image via Shutterstock
原文:A16z-Backed TrustToken Launches Stablecoin Pegged to UK Pound