「デジタル人民元で不動産取引」のネット情報、中国人民銀行が否定──少額の小売り決済に注力と発言

中国人民銀行(PBoC)は、現在進めているデジタル人民元のテスト運用では、少額の小売り決済のみを行っていると述べ、同デジタル通貨を利用して不動産取引が決済されたというインターネット上の噂を否定した。

中国メディアのGlobal Timesは8月24日、住宅の売買が深セン市でデジタル人民元を用いて取引されているとの噂がネット上に出回っていると報じた。売り手はデジタル人民元で多額の支払いを受けたが、従来の通貨への換金は成功しなかったと噂されているという。

中国人民銀行の職員が新浪財経(Sina Finance)に語ったところによると、デジタル人民元のテスト運用は現在、少額の小売取引のみに焦点をあてており、大規模な取引などはまだ想定されていないとのことだ。

中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元は現在、多くの地域で試験運用が行われており、試験実施エリアを香港などにも拡大していくとしている。

銀行などの金融機関だけでなく、事業会社が参画するテスト運用も始める方針だ。中国大手テクノロジー企業のテンセントなどが参加する。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:PBoC Says Digital Yuan Tests Focus on Small Transactions After Rumored Property Sale