コインチェック、暗号資産で調達する「IEO」事業を開始──コンテンツ配信企業が10億円を検討

マネックスグループで暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するコインチェックは、企業やプロジェクトが取引所を通じてトークンを発行、販売することで資金を調達する支援事業を開始する。その第一弾として、マンガやアニメ、音楽などのコンテンツ配信を手がける国内のプラットフォームが今年度中に、約10億円の資金調達に挑戦する。

この資金調達は「IEO(Initial Exchange Offering)」と呼ばれるもので、企業やプロジェクトなどの発行体がユーティリティトークンを暗号資産取引所で発行、上場し、資金を取得する。取引所で口座を開設している投資家は、トークンを売買することができる。

今回のIEOで発行体となるのはハッシュパレット(Hashpalette)。マンガアプリを運営するLink-Uと、ブロックチェーン技術を活用した事業コンサルティングを行うHashPortの合弁会社だ。ハッシュパレットは2021年3月までに、「パレットトークン(PaletteToken=PLT)」をコインチェックで発行、上場する計画。調達額は10億円を見込む。実現すれば、国内で初のIEOとなる。

ハッシュパレットが行うIEOの仕組み(コインチェックの発表文より)

調達する資金は、アニメやスポーツ、音楽などのコンテンツを対象にしたブロックチェーンプラットフォーム「パレット(Palette)」の開発や運営などに充てる。同プラットフォームで展開されるコンテンツのファンを中心に、パレットトークンの購入が予想される。

ビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨の取引所を営む一方、コインチェックは今後、IEO支援事業を通じて社会的意義を持つ暗号資産の創造に貢献していくとしている。

編集:佐藤茂
写真:Shutterstock