8400万人を超えるユーザーを抱えるLINEが、独自に開発してきたブロックチェーンプラットフォームの事業化を開始した。企業が簡単にブロックチェーンを導入できる開発プラットフォームを目指していくという。
LINEグループのLVCとLINE TECH PLUS(本社:シンガポール)は8月26日、開発プラットフォーム「LINE Blockchain Developers」の提供を始めた。また、ブロックチェーン上のサービスで流通するデジタル資産を管理するためのウォレット「BITMAX Wallet」も提供していく。
LINEは2018年に社内ラボを作り、ブロックチェーンを使ったサービス(アプリ)や暗号化技術、P2Pネットワークによる分散システムなどの開発を進めてきた。その後、独自のブロックチェーン「LINE Blockchain」を開発。巨大なLINEのユーザーベースとブロックチェーン技術を生かして、サービス事業者とユーザーをつなげるトークンエコノミー構想を練ってきた。
LINE Blockchain Developersのコンソールを使えば、企業は独自のトークンで形成されるエコシステムを作ることができる。一部のモノや権利をトークンにして、ブロックチェーン上で管理することも可能だ。また、スマートコントラクト(契約の自動化)の専門知識がなくても、企業はそれぞれのサービスをブロックチェーンと連携させることができる。
また、LINE Blockchain Developersで開発したサービス内で発行されるトークンをLINE IDと紐づけて、ウォレットの「BITMAX Wallet」で管理することができる。LINEのユーザー基盤を生かしたサービス開発も可能だという。
これまで、LINEのブロックチェーンプラットフォームは試験運用のフェーズにあった。その間、複数の開発者はゲームなどのエンターテインメントに関連するDapps(ブロックチェーン上で展開するアプリ)の開発を進てきたという。
編集:佐藤茂
写真:多田圭佑